出版社内容情報
ド・マンは「ロマン主義」をどのように定義しようとしていたのか。
その「定義づけ」はなぜ「歴史的」であり、「困難」をともなうのか。
晩年のド・マンは「永遠のパラバシス」としてのアイロニーについて
本格的に探求しようとしていた。
その探求は定義上、比喩言語をめぐる探求なしにありえない。
「行為遂行的なレトリック」の考察は「認識的なレトリック」の
考察なしにありえない。
たとえ消極的なかたちであれ、比喩言語に関する理論的考察への道を
もたらしたのは、ガウス・セミナーをはじめとする
彼の「歴史的な」ロマン主義研究であった。本邦初訳。
内容説明
ロマン派詩人の「自己認識の深まり」を読む批評家は、ロマン派を「歴史的」に考察せざるをえない。だが、それを歴史として語ることができない。このジレンマこそが、ガウス・セミナーをはじめとする「ロマン主義研究」を通じて直面した「困難」であった。
目次
第1部 ガウス・セミナー 一九六七年(ロマン主義をめぐる現代批評;ルソーと自己の超越;ヘルダーリン「あたかも祝いの日の…」における時間性のパターン;ワーズワスにおける時間と歴史;ガウス講義第五回の断片;ボードレールにおけるアレゴリーとアイロニー)
第2部 エッセイと論稿(ヘルダーリンとロマン主義の伝統(一九五九年)
ワーズワスとヘルダーリンにおける天と地(一九六五年)
象徴主義の二面性(一九五四~五六年)
ロラン・バルトと構造主義の限界(一九七二年))
第3部 応答(マリー・クリーガーの論文に対するコメント;道をふさぐ フランク・カーモードへの応答)
著者等紹介
ド・マン,ポール[ドマン,ポール] [de Man,Paul]
1919年~1983年。元イェール大学教授(フランス文学・比較文学)。いわゆる「脱構築批評」の実践者として文学・批評理論における新地平を切り拓く。その影響力は哲学、美術批評など他の人文学分野にも及ぶ
中山徹[ナカヤマトオル]
一橋大学大学院言語社会研究科教授。イギリス文学・批評理論
鈴木英明[スズキヒデアキ]
昭和薬科大学教授。イギリス文学・批評理論
木谷厳[キタニイツキ]
帝京大学教育学部准教授。イギリス文学・批評理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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