内容説明
堀辰雄、芥川龍之介、室生犀星、太宰治、宮沢賢治、左川ちか、中原中也、夏目漱石…。飲み物が香る、甘く潤いの物語!文豪たちがこだわった、飲むという官能的な小説の世界を読みやすい現代仮名遣いで!
著者等紹介
長山靖生[ナガヤマヤスオ]
評論家。1962年茨城県生まれ。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。文芸評論から思想史、若者論、家族論など幅広く執筆。1996年『偽史冒険世界』(筑摩書房)で大衆文学研究賞、2010年『日本SF精神史』(河出書房新社)で日本SF大賞、星雲賞を受賞、2019年『日本SF精神史“完全版”』で日本推理作家協会賞受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
❁Lei❁
23
飲み物が印象的に登場する作品を集めた近代文学アンソロジー。お茶をしながら優雅に読みたくなる本です。お気に入りは、すてきな詩集や画集が置いてある小屋に迷い込み、ココアを飲みながら不思議な話を耳にする、立原道造「緑蔭倶楽部」。幻想的でノスタルジックな詩情が漂う小説です。他には、香り高い抹茶の風味と故郷・金沢の思い出が結びつく室生犀星「性に目覚める頃」や、美少年が資生堂パーラーにて牛乳を飲む横光利一「パーラーにて」(『花花』より)などが好き。近代文学の瑞々しさを味わい尽くす、贅沢な時間を過ごすことができました。2024/07/30
SIGERU
23
YOUCHANさんの小粋な装丁のお蔭で、読んでいる自分までが伊達者になったような気分を味わえる、綺麗なアンソロジー。まず、堀辰雄や立原道造の詩的散文により、あえかな空想の世界に誘われる。編者の企みは成功だ。初読の松村みね子も面白かったが、幸田露伴『軽井沢』が、思わぬ拾い物。明治末期、洋行した日本の令嬢が、日本製の缶詰をめぐりドイツの令嬢に侮辱される。日清・日露戦争に勝利したものの、未だ後進国と見做されていた日本の微妙な立場が巧みに暗示された、愛すべき小品。舶来ライムジュースが小道具として良く効いている。2021/06/23
スイ
10
タイトルを見て、「ワーオ!お酒の話!これは読まなきゃ☆」と思ったのだけど、お酒一滴も関係なかった…先走った…。 様々な書き手の作品を、「飲み物」というくくりでまとめたもの。 コーヒーやオレンジエードなどなど。 こういう選集は、知らなかった作家に出会えたり、知っている作家でも知らない面が見えたりするのが楽しい。2019/09/19
りくう
7
終始お洒落さ漂う短編集。初めて読む作家も多く、今後また読書の幅が広がりそう。2020/08/19
mick
4
表紙の可愛さに魅かれた。短編集で頁数も少ないが読了に時間かかる。いくつかの作品はこれまでに読んだことがあると気づいた。好みの文章というのは変わらないものだ。2019/09/05




