内容説明
アルベール・カミュ『追放と王国』所収の短編を鮮烈にビジュアル化!美しくも過酷な砂漠のなかの丘に立つ小学校。原初的光景のなかで、不信と信頼、憎悪と友愛、孤独と連帯、自由と責任、沈黙と言葉とがぶつかり合い、希望と絶望が交錯する。卓越した色彩感覚のフェランデズがあなたに届ける切ないばかりに黙したカミュの世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
88
2009年にフランスで刊行されたバンド・デシネ。原作は1957年アルベール・カミュが発表した短編小説集「追放と王国」に収められた「客」。丘の上にただひとつ建つ小学校で貧しいながらひとりで暮らしているダリュ。そこへアラブ人の囚人を連れた老憲兵がやって来る。隣の街まで囚人を連れて行くようにと憲兵は立ち去る。ダリュは道の途中囚人に自由を与えるが、囚人は捕らえられるために街を目指す。そしてダリュの小学校の黒板に裏切り者と走り書きがあった。どの人物も本意ではない役割から逃れられない。乾いた風景が物語を強調している。2022/05/21
えんじ
2
カミュをバンド・・デシネ化したシリーズの三冊目。比較的手頃なお値段だったので、購入。カミュは未読なので、読み終えた後もなんだかよくわからなかったんですが、解説がたっぷりと入っていて、解釈の幅、読み方、背景などを教えてくれるので、助かります。端正で味わい深い絵柄が良い感じ。2020/08/03
monado
1
やりたくないことをやらされた上に、裏切り者扱いされる、なんとも切ない話。広漠たる自然が、主人公の寂寥感を見事に表している。2024/06/08
Rolf(ロルフ)
0
BD専門店で購入。2024/09/20
千利休
0
画で語れている2021/03/27