出版社内容情報
本に生命を吹き込む「装丁」という仕事。
その過程から紡ぎ出される
「装丁」論および「出版文化」論。
「本」をめぐる真摯なる問い。
「理想の装丁とは何か」を徹底的に考える。
「装丁家」と名乗っても、まず何の仕事か
理解してもらえない。
「ブックデザイナー」と言いかえると
少しは通じるけれど、今度は
「本のデザインって、いったい何をデザインするんですか」
と訊ねられる。
かみさんは、わたしがこの仕事をするまで
「装丁」という職能を知らなかった。
「じゃ、本の《顔》と《姿かたち》を、
誰が考え出すんだい」と訊ねたら、
「そんなの自然に出来ると思っていた」と返されて絶句した。
だが、言われてみると、いっさいの作為を感じさせず、
自ずから生じたように映る装丁こそ、理想の装丁かも知れない。
(『図書』2014年11月号)
内容説明
紙の本と装丁は消えてしまうの?いやいや、どっこい生きている!「本」と「装丁」の面白さに惹かれる人びとをめぐる“本についての本”。
目次
装丁備忘録 二〇一二‐二〇一七年(二〇一二年(電子本は、これから?;本から離れようったってそうはいかない ほか)
二〇一三年(紙の本ならではの装丁;物である本の儚さ ほか)
二〇一四年(電子カレンダーと手帳;本を舞台に真剣勝負 ほか)
二〇一五年(変幻自在の「和田ランド」;祖父江版『心』 ほか)
二〇一六年(年末進行のアルゴリズム;本の顔は背である ほか) ほか)
“予感”を包み込む(私が装丁家になった理由;現実と異界をつなぐ扉;予感を包み込む)
著者等紹介
桂川潤[カツラガワジュン]
装丁家、イラストレーター。1958年東京生まれ。立教大学大学院文学研究科前期課程修了。『吉村昭歴史小説集成』(岩波書店)の装丁で第四四回(2010年)造本装幀コンクール入賞。佐藤正午『月の満ち欠け』(第一五七回直木賞受賞/岩波書店)等、主に人文書・文芸書の装丁を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
とびほびこび
mick
古本虫がさまよう
ルヴナン