出版社内容情報
羊が日本に輸入された明治時代以降、
日本近現代文学に描かれた羊の文化社会的意義とは何かーー
【漱石作品にみる羊】
『三四郎』で見る、羊の知識が得られる経緯や、
それに伴う表現の変遷とは?
【女性に例えられる羊】
開国以降、西欧人男性と関係を持った日本人女性が
「羅紗緬」と呼ばれ羊に擬えられてきた経緯とは?
唐人お吉物語などの文学作品との比較から検証!
【安部公房にみる羊】
満洲の牧歌的風景への憧憬や郷愁と、
「詩人の生涯」における羊の表象との関係性を分析!
【村上春樹にみる羊】
60年代以降の観光牧場の展開に継承されている
羊を囲む心象風景とは?
文学研究と環境問題・社会問題を結び付ける、
アニマル・スタディーズ/エコクリティシズムの提示!
内容説明
夏目漱石、江馬修、大江健三郎、安部公房、村上春樹が描く「羊」とは何者なのか?アニマル・スタディーズの手法で文学に現れる「羊」を辿り、近現代日本社会の支配関係を見る!
目次
序章
第1章 夏目漱石『三四郎』―「迷羊」の起源とその解釈
第2章 江馬修『羊の怒る時』―関東大震災の怒れる民衆
第3章 らしゃめんの変容―唐人お吉物語から「人間の羊」まで
第4章 安部公房の植民地経験と羊―満洲の緬羊政策と牧歌的風景の構築
第5章 村上春樹『羊をめぐる冒険』―「迷羊」の継承と羊に取り憑かれた者たち
終章
著者等紹介
江口真規[エグチマキ]
1987年、熊本県生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科文芸・言語専攻博士課程修了。博士(文学)。秋田県立大学総合科学教育研究センター助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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