出版社内容情報
『高慢と偏見』『分別と多感』など
恋愛や結婚をシニカルに、コミカルに
描いたイギリスの女性作家ジェイン・オースティン。
映画や小説などと注目され続ける作家の作品と時代、
さらに現在の受容の様子など、様々な視座で読み解く!
【目次予定】
オースティンの現在――序に代えて 塩谷清人
第一部 切り結ぶオースティン――作品とそのコンテクスト
第一章 ティルニー将軍とティラニー 三馬志伸
―『ノーサンガー・アビー』に込められたメッセージ
第二章 オースティンと「英国的」感受性 皆本智美
―同時代の演劇と小説から読み解く『分別と多感』
第三章 時代を反映するオースティン 塩谷清人
―『マンスフィールド・パーク』のコンテクスト
第四章 ハイベリーの階級闘争 坂田薫子
―『エマ』の世界を読み解く
第五章 マナーの語るもの 新野緑
―『説得』における階級・認識・主体
第二部 企むオースティン――その眼識と技巧
第六章 容赦のない風刺と近代的知性 中尾真理
?『分別と多感』の挑戦
第七章 読みの応酬 松村聡子
?『レイディ・スーザン』の書簡体の奥へ
第八章 括弧から見えるジェイン・オースティンの
文体の「進化」 中村祐子
?『高慢と偏見』から『エマ』へ
第九章 ジェイン・オースティンと読書行為 海老根宏
第三部 呼応し、時空を超えるオースティン――影響と変奏
第十章 女性作家と財産継承のレトリック 廣田美玲
第十一章 描かれる老女と中年女 久保陽子
?『エヴリーナ』と『レイディ・スーザン』考
第十二章 コミック小説への寄与 水尾文子
―ステラ・ギボンズ『コールド・コンフォート農場』に
見られるオースティン
第十三章 宝塚歌劇への翻案にみるオースティン受容 高桑晴子
―『高慢と偏見』から『天使のはしご』へ
第十四章 オースティンの作品の映像化 新井潤美
第四部 同時代作家たち
第十五章 喜劇と女性らしさの間で 池田裕子
?『エヴリーナ』を読む
第十六章 ゴシック小説と空想の詩学 小川公代
―アン・ラドクリフの『ユードルフォの謎』
第十七章 仁愛に満ちた国民の残忍な食卓 川津雅江
?ハミルトンのヒンドゥー人の手紙
第十八章 偽装と隠蔽、混乱と錯綜 鈴木美津子
?『フロレンス・マカーシー』に見られるアイルランド表象
第十九章 アイルランドを巡る旅 中村哲子
?プランプターの旅行記、そしてエッジワースと
オーウェンソン
あとがき 久守和子
日本オースティン協会[ニホンオースティンキョウカイ]
The Jane Austen Society of Japan.
ジェイン・オースティンを中心として、
その時代の文学、思想、芸術など、
幅広い研究・資料収集情報交換を行う。
学会誌として
『ジェイン・オースティン研究
The Journal of the Jane Austen Society of Japan』
を毎年刊行。
内容説明
オースティンの切り拓いた世界と技法、そして現在への接続を明らかに。現代でもドラマ化、映画化と人気ながら、閉じられた世界を描いていると見なされてきたオースティン作品。最前線の研究者がこれまでの定説を覆し、社会や時代との積極的な関わり、現代における受容と普遍性を論じる。ジェイン・オースティン協会10周年記念論集。
目次
第1部 切り結ぶオースティン―作品とそのコンテクスト(ティルニー将軍とティラニー―『ノーサンガー・アビー』に込められたメッセージ;オースティンと「英国的」感受性―同時代の演劇と小説から読み解く『分別と多感』 ほか)
第2部 企むオースティン―その眼識と技巧(容赦のない風刺と近代的知性―『分別と多感』の挑戦;読みの応酬―『レイディ・スーザン』の書簡体の奥へ ほか)
第3部 呼応し、時空を超えるオースティン―影響と変奏(女性作家と財産継承のレトリック;描かれる老女と中年女―『エヴリーナ』と『レイディ・スーザン』考 ほか)
第4部 同時代作家たち(喜劇と女性らしさの間で―『エヴリーナ』を読む;ゴシック小説と空想の詩学―アン・ラドクリフの『ユードルフォの謎』 ほか)
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