出版社内容情報
「世界史」という学問の生成と現状、そして新たな展開への
可能性を示す!
世界史の研究は、第二次世界大戦後、世界各地で拡大しはじめ、
1990 年代からは研究の広さと深さを増し、特定のトピックでの
研究も増え、環境史、経済史、帝国史、海事史、科学史、
健康史などの世界史の下部分野として現れた。
それらの成果と議論を検討し、また世界史の分析の論理と
ともにに各国でも世界史教育が盛んになってる現状から、
研究と教育の在り方を提案する。
第一部では、世界史記述について、最初期から始めて、
20世紀の諸局面を簡略にたどる。
第二部の「歴史研究における革命」では、学問の諸分野、
地域研究、そしてグローバル・スタディーズのなかでの
劇的な変容を再検討する。
第三部は、2003 年までの世界史研究の成果を見渡し、
世界史での議論の性質を扱う。
第四部と第五部は、とくに、世界史研究に取り組もう
とする大学院生に向けたものである。
第四部では、スケールと枠組み、そして、世界史解釈の
検証という問題を通して、地球規模の分析の論理を探究する。
結末の部分では、世界史で高度の学習をするプログラムを
どう構想して実施するかについて、提案をしてみた。
(「日本語版によせて」より)
【収録内容】
日本語版によせて
序 文
第一部 世界史の展開
第1章 世界史の定義
第2章 1900 年までの歴史哲学
第3章 大いなる総合── 1900 ~1965 年
第4章 テーマと分析── 1965 ~1990 年
第5章 世界史分野の組織化── 1990 年以降
第6章 世界史を語る
第二部 歴史研究における革命
第7章 学問の諸分野
第8章 学問の諸分野
第9章 グローバル・スタディーズ
第三部 近年の研究成果
第10 章 政治史および経済史
第11 章 社会史
第12 章 生態系、科学技術、健康
第13 章 文化史
第14 章 世界史を議論する
第四部 世界史における分析の論理
第15 章 歴史におけるスケール──時間と空間
第16 章 枠組みと戦略のモデルを作る
第17 章 解釈を検証し、提示する
第18 章 世界史を分析する
第五部 世界史の学習と研究
第19 章 大学院教育のプログラムと優先順位
第20 章 学習のコース
第21 章 大学院での学習のための資源
第22 章 世界史を研究する
第23 章 結論:世界史における課題
文献目録/原註/索引
パトリック・マニング[パトリック マニング]
Patrick Manning
ピッツバーグ大学歴史学科、同大学世界史センター所長、
2015年度アメリカ歴史学会会長。
専攻:アフリカ経済史、移住史、世界史。
主要著書:Big Data in History:
A World-Historical Archive (Palgrave Pivot, 2013)、
Migration History in World History:
Multidisciplinary Approaches (Brill, 2010)
南塚 信吾[ミナミズカ シンゴ]
Shingo Minamizuka.
みなみづか しんご
1942 年、富山県生まれ。NPOIF世界史研究所長。
千葉大学名誉教授・法政大学名誉教授。
著書『静かな革命――ハンガリーの農民と人民主義』
(東京大学出版会、1987 年)、
『ハンガリーに蹄鉄よ響け――英雄となった馬泥棒』
(平凡社、1992 年)、
『ブダペシュト史――都市の夢』(現代思潮新社)、
『世界史なんていらない?』(岩波書店[岩波ブックレット])、
『図説 ハンガリーの歴史』(河出書房新社)ほか。
訳書A・アンダーソン『ハンガリー1956』(現代思潮新社)、
ビル・ローマックス『終わりなき革命――ハンガリー1956』
(彩流社)、『歴史学の未来へ』(ノーマン・J. ウィルソン、
木村真共監訳 法政大学出版局)ほか。
渡邊 昭子[ワタナベ アキコ]
Akiko Watanabe.
わたなべ あきこ
大阪教育大学教養学科准教授。
共著に、
『地域の比較社会史:ヨーロッパとロシア』
(日本エディタースクール出版部、2007)、
共訳書に、ニーデルハウゼル・エミル著
『総覧東欧ロシア史学史』
(北海道大学出版会、2013 年)など。
内容説明
「世界史」という学問の生成と現状、そして新たな展開への可能性を示す!世界史は動いている。世界史は、政治学、経済学、社会学、文化研究、地域研究、そしてグローバル・スタディーズなどの成果を吸収しながら学問の深さと幅を広げてきた。研究組織がいくつも立ち上げられ、世界史教育は各地で盛んになっている。多面的に発展する世界史の成果と議論を再検討し、研究と教育のあり方を提案する。世界史に関心をもつすべての人へ。
目次
第1部 世界史の展開(世界史を定義する;一九〇〇年までの歴史哲学 ほか)
第2部 歴史研究における革命(学問の諸分野;地域研究 ほか)
第3部 近年の研究成果(政治史および経済史;社会史 ほか)
第4部 世界史における分析の論理(歴史におけるスケール―時間と空間;枠組みと戦略のモデルを作る ほか)
第5部 世界史の学習と研究(大学院教育のプログラムと優先順位;学習のコース ほか)
著者等紹介
マニング,パトリック[マニング,パトリック] [Manning,Patrick]
ピッツバーグ大学歴史学科、同大学世界史センター所長、2016年度アメリカ歴史学会会長
南塚信吾[ミナミズカシンゴ]
1942年、富山県生まれ。NPO‐IF世界史研究所長
渡邊昭子[ワタナベアキコ]
大阪教育大学教養学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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