内容説明
100人以上を看取った著者が描いた在宅看護・介護のありようとは?もうすぐ他界される人のいる家族が抱えるさまざまな悩み!この本は、そんな患者と家族の実話を通して描いたノンフィクションです。
目次
第1章 なごやかな終末(家族といっしょに過ごしたい!;望みは、自宅に帰ること;長男夫婦の家での生活;家族も二人三脚;職員の方々に見守られて)
第2章 終末とはじまり(終末期と終末期医療;医療の主人公は患者さん本人;人が亡くなってゆく自然経過;亡くなる場所の推移と在宅療養;クォリティー・オブ・デスと緩和ケア;緩和ケア病棟とホスピス;グリーフとグリーフケア)
著者等紹介
宮崎照子[ミヤザキテルコ]
1952年栃木県生まれ。40年以上看護師として勤務する。2005年より訪問看護ステーション管理者として、訪問看護師としてはたらく。2015年、那須赤十字訪問看護ステーションを退職。現在は、一般社団法人栃木県訪問看護ステーション協議会の事務局長として訪問看護ステーションにかかわる
山中桃子[ヤマナカモモコ]
1977年栃木県生まれ。女子美術大学卒業。『田んぼのいのち』『牧場のいのち』(ともにくもん出版)で、ブラティスラヴァ世界絵本原画ビエンナーレ入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆまたろ
10
図書館の児童書の棚で目につきました。あまりに直接的な題に思わず手に取りました。訪問看護師の著書が経験した五人の終末の様子と終末医療に関わる簡単な説明が記されています。読みながら、年老いていた両親にできるだけのことを悔いなくするためにも、もっと勉強しないとダメだなと思いました。こういう本が児童書であることが驚きです。大人も勉強になります。2016/06/30
みぇい
4
グリーフケアにおすすめの絵本が紹介されている。2017/05/23
luckyair
2
二人の娘を残して亡くなった最初の事例は読んでいて辛いが、グリーフケアとは何か、またその重要性がよく分かる。昔は家で自然な最期を迎える人の割合が多く、その分長い時間をかけて死を受け入れることが出来た。また、同居する人数も多かったので、死後のケアも自然と行えていた。病院で呼吸気をつけながら延命するのか、自宅で家族と共に生活をしながら最期のときを待つのか。今後は多老多死の時代となり、自宅で療養しながら死を迎える選択肢が再び増加するだろう。そんな中訪問看護の重要性は増していく。★★★2019/04/20
kitapon1221
0
コロナ禍にて病院や施設での面会制限が続くなか、在宅でのお看取りを希望し、実践される患者さん・ご家族の方が増えていることを実感している。この本では、在宅看護・介護の実態と、在宅医療やグリーフケアに関する情報が分かりやすく書かれている。小中学生でも読めるよう漢字にはルビがふってあるが、実践に則した充実した内容であり、むしろ高齢者やその介護を担う世代の方に読んでほしい、と思った。私自身も、患者さん本人の苦痛や、ご家族の方の不安に寄り添うことができる看護師でありたい。2022/04/10