内容説明
ヴィクトリア朝屈指のストーリーテラー。シリアスに、ときにユーモラスに語られる、市井の人々が直面する謎、秘密、運命…はたして結末は!?「探偵小説の父」が贈る、味わいの異なる5つの物語。
著者等紹介
コリンズ,ウィルキー[コリンズ,ウィルキー] [Collins,Wilkie]
1824‐1889年。イギリス・ヴィクトリア朝の小説家、劇作家。長編推理小説やセンセーション小説を世に送り出し、とくに『白衣の女』『月長石』などが大人気を博した。短編も多数執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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吉田あや
73
短篇でもコリンズのストーリーテラーぶりは健在で、短い中に詰め込まれた謎や恋、ユーモアと楽しめる要素が満載なだけでなく、訳者の北村さんによる柔らかで情緒豊かな表現のおかげで、古典ならではのとっつきにくさがなく、映像が流れるように再生されていくヴィクトリア朝の世界。中でも、妹のようにかわいがっていた親友の不審な死の謎を追う、日記体で書かれた「アン・ロッドウェイの日記」、航海中に船内で生まれた赤ちゃんの切ない不条理を描く「下等船室」がお気に入り。2019/02/15
NAO
69
5つの話のうち4つの話に、それほど裕福ではないがゆえに働かざるを得ない女性たちが登場する。自立した、自立しようとする若い女性たちの将来は、悲劇だったり輝くものだったりするが、懸命に生きる彼女たちの姿はヴィクトリア朝の新しい象徴だったのだろう。ウィルキー・コリンズの『月長石』も『白衣の女』も、どちらかというと冗長で少し時代がかっている。それは、当時流行っていたゴシック・ホラーを受けてのことでもあっただろう。ここにあげられている短編は、無駄がそがれている分、かなり読みやすいと思う。2019/02/24
ペグ
38
再読。2020/04/08
星落秋風五丈原
36
チャールズ・ディケンズが号泣したという「アン・ロッドウェイの日記」がいい。2017/06/13
かもめ通信
23
#彩流社祭 とりわけ貧しいながらも独立心旺盛の自立した女性たちの描き方に好感を持った。訳文はもちろん、装丁を含め、本全体から漂う品の良さが好ましい1冊。収録されている五つの作品のうち、私の一番お気に入りは「ミス・モリスと旅の人」。まさか閏年にあんな言い伝えがあるとはね!!2019/02/25
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