内容説明
古代文明、占星術、ピュタゴラス派の数論を源泉として、どのように中世の数のシンボリズムが形成されていったのか…。豊富な資料を用いて詳細に分析する古典的名著!
目次
第1章 初歩的数のシンボリズム―古代オリエント、インド、ギリシャ
第2章 占星術上の数―古代バビロニアと旧約聖書
第3章 ピュタゴラス派の数論―具体的な数論の分析と考察
第4章 グノーシス主義者―グノーシス主義、ヘルメス主義、カバラ、錬金術
第5章 初期キリスト教の著述家―数の寓意的解釈とその基礎の確立
第6章 中世における数の哲学―様々な領域の数の象徴の用法と実例
第7章 秩序の美・ダンテ―『神曲』の数的構成と数のシンボリズムの用法
補遺 北方異教における象徴としての数―古代スカンジナビア、ケルト神話など
著者等紹介
ホッパー,ヴィンセント・フォスター[ホッパー,ヴィンセントフォスター] [Hopper,Vincent Foster]
1906年、ニュージャージー州に生まれる。28年にプリンストン大学において修士号を取得。32年からはニューヨーク大学の助教授となり、その後、同大学教授として比較文学等の講義をおこなう。76年に死去
大木富[オオキトム]
1958年神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程前期修了。神奈川工科大学准教授。専門は、16・17世紀の英詩、中世思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimasu
3
例えば、人間を表す数字を2だったり、神を3で表したりするのはなぜか。その起源をたどりつつ、数を象徴的にとらえたりする占星術、果ては世界そのものを数字でつかもうとするピタゴラス派まで数から人間が感じ取るイメージの変遷やその意味を過去の文献からひもといていくという意欲作。実は占いの類いもこうした古典や占いのイメージの集積から来ているもので、本当かウソかというよりも古代人から綿々と続くある種の数字から読み取れる意味を感じ取るのはなぜかというのもわかるのが面白い。数字のオカルト的な面を知るには最適なテキストかも2015/07/23