内容説明
父死して十年、子は自らも共有する弱者への眼差し、反戦、反核への思いを綴る「水上文学」を辿る旅に出た―人間の生を見つめるフォトジャーナリストがその姿に迫る。
目次
旅する父子
京都
余呉湖
若狭
小浜
雷電海岸
東中野・柏木五丁目
鴬谷駅ふきん
明大前
明大前・キッド・アイラック・アート・ホール
成城
北御牧・水上山荘
信濃デッサン館
無言館
旅は終わらず
著者等紹介
窪島誠一郎[クボシマセイイチロウ]
1941年東京生まれ。印刷工、酒場経営などを経て、64年東京世田谷に小劇場の草分け「キッド・アイラック・アート・ホール」を設立、また79年長野県上田市に夭折画家のデッサンを展示する私設美術館「信濃デッサン館」、97年に戦没画学生慰霊美術館「無言館」を設立した。第四十六回産経児童出版文化賞、第十四回地方出版文化功労賞、第七回信毎賞、第十三回NHK地域放送文化賞を受賞。2005(平成17)年、「無言館」の活動で第五十三回菊池寛賞受賞
山本宗補[ヤマモトムネスケ]
1953年、長野県生まれ。フォトジャーナリスト。近著の大型写真集『戦後はまだ…刻まれた加害と被害の記憶』(彩流社)で、第十九回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞。同名の巡回写真展を全国十数ヶ所で開催。東電福島第一原発事故の取材を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よしひろ
4
一人の作家にインスピレーションをもたらす環境について考えることができた。2016/01/09
lonely_jean
0
誠一郎は父親に捨てられた…事情はあったとしても実態としてはそうではないかと思われるが、息子の恨みつらみのようなものはほとんど感じられない。主には、憧れ。そして、感謝、だろうか。受け継いだものがたくさんあるのだろう。2024/04/18
両毛人
0
水上勉の生活の匂いのする場所や小説の舞台を通して、実子の窪島誠一郎氏の心証を描いたもの。 題名から小説の舞台となった地を、写真と文章で描いたものかと思って手に取ったが、ちょっと方向性が違った。2020/07/18