内容説明
大学の薬学部を卒業し、自立を目指す「私」。社会学者として仕事に生きてきたはずの母タシャレジが最近やたらと結婚のプレッシャーをかけてくるけれど、交際中のノズリとの溝は深まるばかり。薬局開業の夢もだんだんと遠のいて…。一方。スクリノの村から上京したヤルフェルは、せっかく入った大学でドロップアウトの危機に直面。秘密の話し相手だった「女王様」も失い、起死回生、密航を企てる。現代チュニジア社会の見取り図とそこにある多様性を浮かびあがらせると同時に、国や文化でも変わることのない若者の希望や葛藤を描く。
著者等紹介
ヤヒヤ,エムナ・ベルハージ[ヤヒヤ,エムナベルハージ] [Yahia,Emna Belhaj]
1945年、チュニス生まれ。ソルボンヌ大学・大学院で哲学を専攻。哲学教師を経て、チュニジア国立図書館やチュニジア科学・文芸・美術アカデミー(「知識の館」)に勤務して文化活動に従事(2005年退職)。現在は執筆活動の傍ら、同アカデミーの小説部門委員を務める
青柳悦子[アオヤギエツコ]
筑波大学人文社会科学研究科教授(文芸・言語専攻)、人文・文化学群比較文化学類長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。