内容説明
アメリカのユダヤ系作家ソール・ベローの小説14冊を「階級」の視点から考察。ベローの小説に描かれるユダヤ系移民2世の主人公たちの職業や社会階級の上昇・下降等の「社会移動」、階級意識の揺らぎを1世紀のスパンで丹念に読み解き、文学と文化・歴史の接触する地平での新しい読み、多角的見地からのベローの読みの可能性を探る。
目次
第1章 階級意識の揺らぎ(戦時下におけるユダヤ系カナダ国籍者の意識の揺らぎ―Dangling Man;ニューイングランド支配階級の末裔対NYキャリバンの相克―The Victim;ライオンは名家御曹司の階級的疎外を癒せるか―Henderson the Rain King)
第2章 階級の下降(失業したセールスマン、トミー・ウィルヘルムの涙―Seize the Day;知識は増えても問題は増すばかりのモーゼズ・ハーツォグ―Harzog;英国インテリからホロコースト難民生活者へ下降しても―Mr.Sammler’s Planet)
第3章 階級上昇の拒否(上流階級からの逃走―The Adventures of Augie March;富裕層の医者の娘からの逃走―More Die of Heartbreak)
第4章 階級の上昇と苦悩(フンボルトとシトリーンの階級的乱高下―Humboldt’s Gift;新興成金たちの行き着いた先―The Bellarosa Connection;パーク・アベニューに住む重役のクララと東ハーレムとの距離―A Theft)
第5章 脱階級(出世したデューイと成功に背を向けたコード―The Dean’s December;ブルジョア階級との和解?:文化変容と同化―The Actual;階級を超えた?ラヴェルスタインからのメッセージ―Ravelstein)
著者等紹介
鈴木元子[スズキモトコ]
静岡文化芸術大学文化政策学部国際文化学科教授。放送大学客員教授(2012年~)。専門は英米文学・文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 谷川岳花と登山ガイド