内容説明
さくら弾機とは、破壊力の大きい新式爆弾を載せるため、計器類を必要最小限にし、自衛の銃器類の装備も無く、前頭部と尾翼の一部にはベニヤ板を使い、搭乗員も削減した、いわゆる“人間爆弾”だ!この特攻作戦で散った兄の足跡を追って、家族、特攻隊員たち、出撃基地、交流した人たちの過去と現在を辿ったフォト・ドキュメンタリィ。
目次
清泉閣はめぐる
母の死
破られた遺書と不可解な模様
南方戦線への出動
重爆特攻作戦
特攻隊員の心理をさぐる
九州展開
朝倉高女生との交流
さくら弾機放火事件の謎
出撃
さくら弾機の不時着
鳥浜トメさん
慰霊の旅
波上官の丘に立つ親子
母の遺した納経帳
平和の礎
山頭火の句碑
願主が私で、代参者が母
天人菊
著者等紹介
山下昭[ヤマシタアキラ]
1936年、愛媛県宇和島市生まれ。1962年、京都大学医学部卒業。1963年、京都大学医学部助手(解剖学)。1967年、オーストラリア国立大学ジョン・カーチン医学研究所研究員。1971年、熊本大学医学部助教授(解剖学)。1975年、浜松医科大学教授(解剖学)。1982年、スイス・バーゼル免疫学研究所出張。2002年、浜松医科大学名誉教授、静岡医療科学専門学校校長。2004年、写真集『ゆめの腕(かいな)に』出版。第12回土門拳文化賞を受賞。写真家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HH2020
2
林えいだい氏の「大刀洗さくら弾機事件」の流れで読んだが、主題がはっきりしない。文章が練れていない。著者が物書きでないことを考慮しても残念ながら▽。2017/08/27
rinpei
1
広島原爆碑の言葉を評する上田氏言葉を引用している。「安らかに眠らないでください。再び過ちを繰り返すかもしれないから」とすべきだと言うものだが至言である。しかし、そのために今求められているのは正しい歴史観を持ち、高い識見と品性を備え、実行力のある政治のリーダーだという著者の主張は同調できない。大戦に至るまでの軍備拡張、戦線拡大を一貫して支持し続けたのは政治家ではない。国民だ。世論である。この自覚があれば高い識見品性を求められるのは我々国民のはずだ。この本の価値はまさにこの識見品性の醸成に資してることにある。2014/10/08