内容説明
日本の「聖地」は複数の宗教的要素が重層的に融合して、歴史的に形成されてきた。日本の「聖地」がどのように形成されたのか、その歴史的断面に焦点をあて、日本人の持つ宗教の特性を浮かび上がらせる。
目次
第1章 熊野
第2章 花の窟神社の御綱掛け神事
第3章 京都の「六地蔵めぐり」
第4章 六道の辻と「六道まいり」
第5章 会津高野山八葉寺の「冬木沢詣り」
第6章 山寺(立石寺)の死者供養
著者等紹介
大東俊一[ダイトウシュンイチ]
1954年、岐阜市生まれ。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業、東京外国語大学大学院地域研究研究科地域研究専攻修士課程修了、法政大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士後期課程単位取得満期退学。現在、人間総合科学大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
43
熊野、京都、東北にある聖地の変遷を辿った一冊。其々二箇所ずつ聖地が摂られているが、各々場所としての横の繋りは極めて希薄である。あくまで中心となっているのは歴史という縦の流れ、その意味でよく親しんでいた京都六地蔵参りや六道珍皇寺の変遷や民間信仰が表に出てきている東北が特に面白く読めた。ムサカリ絵馬や山寺の夜行念仏等、東北の死者儀礼はいずれも興味深いなあ。先に横の繋りは極めて希薄と書いたけど、それでも続けて読んでいるとそれぞれの歴史的変遷から、日本人の心性という物が何となく見えてくるような気もした。2014/10/21
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