内容説明
人間実存の意味を、美女を描く浮世絵師の如く、冷静に、きめ細かく、ときに大胆にときに大笑いし、涙を胸に秘め、じっと見るべきものは毛髪一本も見逃すことなく描いた。西鶴、平山藤五の言語宇宙を、その言葉の力のすばらしさを、生活語、民俗、言業などに分けて実証的に考察する。
目次
1 西鶴を考察する視座(西鶴の描いた十七世紀の人と社会;西鶴と戯作執筆の意図 ほか)
2 西鶴、新文章の創始と方法(創作の秘訣;語り・咄しの文態 ほか)
3 西鶴とその言語宇宙(近代語の創造者―相鑰から悪知恵まで;民俗の記録者―大原の雑魚寝~風の神おくり ほか)
4 西鶴の心のうちを語る“掌中小説”(男地蔵;白か黒か ほか)
余論 江戸俗字の解読と検証―西鶴作品を中心に
著者等紹介
杉本つとむ[スギモトツトム]
1927年、横浜生まれ。早稲田大学文学部卒業。文学博士(東北大学)。オーストラリヤ国立大学、ソ連邦国立モスクワ大学招聘教授、ライデン国立大学、国立民族学博物館研究員。北京日本学研究センター派遣講師(外務省)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。