内容説明
ユダヤ問題の核心に迫ったロングセラー!自らのアイデンティティを求めて、ダニエル・デロンダの旅は続く…そして、苦難の果て、決定的な「事実」があった。歴史を動かした稀有の作品!
目次
第5巻 モーデカイ
第6巻 発見
第7巻 母と息子
第8巻 果実と種子
著者等紹介
藤田繁[フジタシゲル]
1937年大阪生まれ。大阪府立北野高校を経て、大阪大学文学部英文学専攻卒、同大学院修士課程修了・同博士課程単位取得満期退学。武庫川女子大学文学部専任講師、九州大学教養部助教授、金沢大学文学部英文科及び社会環境科学研究科(後期三年博士課程)教授、立正大学文学部教授、現在金沢大学文学部名誉教授。著書『草の碑―満蒙開拓団・棄てられた民の記録』(能登出版、第十七回泉鏡花賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソングライン
10
没落した家族を助けるため結婚するグウェンドレンはその私欲と夫からの束縛に悩み、デロンダに助けを求めます。一方、自殺未遂のユダヤ人女性を助けたデロンダは純真な彼女に心惹かれ、その兄のユダヤ人の国を作ろうとする望みに共感していきます。そしてデロンダは生き別れた母から自分がユダヤ人であることを知らされ、グウェンドレンは突然の夫の溺死の際に心に宿った殺意に恐怖します。結婚という奴隷状態に悩む女と出生の秘密を知り新たな目的を得る男、二人は結ばれたのか。エリオットの最後の長編読みごたえありです。2024/01/05