内容説明
19世紀英国。のどかな町トリビイ・マグナに、ふたりの男が帰還した。加熱する選挙戦を背景に、過去の闇の中に埋められた謎がからみ合い…。変わりゆく時代を舞台に、自らの政治的思想をも盛り込んだ野心作。
著者等紹介
冨田成子[トミタシゲコ]
津田塾大学英文学科卒業、大阪大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。元甲子園大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kayak-gohan
27
1832年英国の田舎町トリビイ・マグナ。第一次選挙法改正時代の社会状況、とくに加熱する選挙戦(買収、暴動)が物語の背景となっている。高邁な精神を持ち清貧な生き方に固執する青年フィーリクス、貴族出身で莫大な財産をもとに政界進出を目指す野心的なハロルド、そして非国教派の貧しい牧師の娘でありながら高い学識と気品を備えたエスタという三人の生き様と秘められた過去の謎ときを中心に話は進められる。エスタの献身的な愛が美しい。作者ジョージ・エリオットは筆名。本名メアリーアン・エバンズ。つまり女流作家(1819-1880)2013/03/03
ソングライン
20
1832年第一次選挙法改正下のイギリスが舞台、非国教派のライアン牧師の娘エスタ、貴族の血を引くエスタに突然の財産相続の権利が生じます。エスタが相続すべき財産の現所有者である青年貴族ハロルドは革新派から選挙に出馬し、彼女が敬愛する革新派の青年フィーリクスは暴動を指揮したという偽りの罪を被ってしまいます。二人の青年から愛を受けたエスタが選んだ選択は。傲慢であるがプライド高い正義漢ハロルド、労働者のために善を行う熱血漢フィーリクス、魅力的な二人に引き込まれます。エリオットはやはりすごい。2022/08/13
い-さん
0
19世紀イギリスの選挙制度やトーリーだとかホイッグだとか相続制度とか日本人には余り馴染みがないので読むのにちょっと苦労しました。でもエスタの一途な愛については感銘をうけました。2021/10/11
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