内容説明
無形文化遺産には単に世界遺産の無形版とはいえない独特の性質がある。「無形文化遺産条件」は2003年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)で採択され、「無形版・世界遺産」として知られているが、実際はどのような内容なのか?無形文化遺産が生まれた背景、条約のしくみ、リストについて、世界遺産と比べながら詳細に解説したはじめての概説書。
目次
第1章 条約が生まれるまで(ユネスコと条約;文化財から文化遺産へ ほか)
第2章 条約のしくみ(スケルトン条約;無形文化遺産とは ほか)
第3章 2つのリストと1つの登録簿(リストを「庭園」にたとえたら;代表リスト ほか)
第4章 条約のテーマと課題(コミュニティの参加;セーフガーディングの保護 ほか)
著者等紹介
七海ゆみ子[ナナウミユミコ]
ユネスコ(パリ)勤務。東京外国語大学フランス語学科卒業。カナダ・マギル大学人類学部博士課程満期退学。ユネスコ日本政府代表部・専門調査員、国際協力(開発・文化遺産)を経て、2011年7月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
20
文化財⇒文化遺産へ(26頁~)。ユネスコ(1989)勧告によると、フォークロアとは伝統民衆的文化。文化コミュニティ の伝統を基盤とした創造の全体。言語、文学、音楽、舞踊、遊戯、神話、儀礼、慣習、手工芸、建築及び技術(42頁)。 巻末に和英条約文章が掲示されているので、邦訳の練習もできる。 2015/03/06
Humbaba
1
ユネスコと雖も,全てが全てうまく回っているわけではない.持てる国は自分のもつものを多くリストに載せようとするし,そこまで力を割く余力がない国は,例え素晴らしい物を持っていたとしても,それをリストに載せるための作業をすることが困難である.しかし,完全なものではないとしても,ユネスコの掲げる方針事態には,間違いはないだろう.2012/04/21