カナダ現代戯曲選 洗い屋稼業―カナダ現代戯曲選

パニッチ，モーリス【著】〈Ｐａｎｙｃｈ，Ｍｏｒｒｉｓ〉/吉原 豊司【訳】

彩流社（2011/09発売）

• サイズ B6判／ページ数 121p／高さ 20cm
• 商品コード 9784779116452
• NDC分類 932
• Cコード C0097

内容説明

高級レストランの地下。きらびやかな上層階とは裏腹に、陽もあたらぬ穴倉でひたすら汚れた皿を洗う男たち―。カナダの人気劇作家が、格差社会の底辺を描いた現代版「どん底」。

著者等紹介

パニッチ，モーリス［パニッチ，モーリス］［Ｐａｎｙｃｈ，Ｍｏｒｒｉｓ］
１９５２年生まれ。カナダ演劇のニュー・ジェネレーションを代表する劇作家・演出家・俳優。バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学文学部卒業後、ロンドンのＥ‐１５アクティング・スクールで演技を習得。これまでに５０を超える舞台に立ち、映画・テレビへの出演は数限りない。代表作「７ストーリーズ」（１９８９）をはじめ、カナダ芸術界最高の栄誉といわれる「カナダ総督賞」に輝いた「地球の果て」（“Ｔｈｅ　Ｅｎｄ　ｏｆ　ｔｈｅ　Ｅａｒｔｈ”１９９２）、バンクーバー地区年間最優秀演劇作品に与えられるジェッシー賞受賞の「ご臨終」（“Ｖｉｇｉｌ”１９９５）など、戯曲を２０本ほど発表している

吉原豊司［ヨシハラトヨシ］
１９６０年早稲田大学卒業。７０年、住友商事駐在員としてカナダに渡航。トロント、バンクーバー、エドモントンの各地を転勤。仕事の傍ら、日加演劇交流に注力し、カナダ戯曲の邦訳４０本、日本戯曲の英訳５本、日本劇団のカナダ巡演プロデュース等の実績を持つ。２０００年、住商退職後、カナダ・アメリカ戯曲専門の演劇制作集団「メープルリーフ・シアター」の創設に参画。カナダ・マクマスター大学名誉文学博士。０２年、第９回湯浅芳子賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[スケキヨ]

図書館の「新書コーナー」で出会った本。戯曲なんて、高校の頃、課題で出たシェイクスピア以来なんじゃないでしょうか。舞台はとあるレストランの地下にある「食器洗い場」での話。大きな事件は起きませんが、３人＋１人の洗い屋稼業（職）に対する気持ち、誇りなどの姿勢を吐露する話でした。淡々と進み会話のみなんでセリフ一つ一つが刺さりました。まあ、露骨と言えば露骨な部分もありましたが。戯曲の魅力がちょっとわかりました。

2011/11/01

[かつどん]

三人三様の(後から一人追加されるので四様？)、色んな意味で底辺ともとられる仕事に向かう思いや姿勢、誰もが善人というわけでもなく、悪人というほどでもないが何かというとぶつかり合い、読み手が自身と向き合わねばならないような気持になる。案外あっさりと読み終えてしまったが、お芝居になると二時間…逆にお芝居で見てみたい、息遣いを聴きたい、と思えた。「間」に交わされるものを観たい。

2024/10/29

[葛]

2011年9月15日発行　定価(本体1500円＋税) 著者：モーリス・パニッチ　訳者：吉原豊司　発行者：竹内淳夫　印刷：明和印刷（株）　製本：（株）難波製本　装幀：虎尾隆　発行所：株式会社彩流社

2019/10/31