内容説明
“異邦人”“不条理”…新しい青春文学の誕生を告げた名作の新しい読み方と批評。「テクストの外部を読む―カミュと『異邦人』」を増補。
目次
1 通時的に読む―『異邦人』の物語にそって(葬儀―きょう、ママが死んだ…;日曜日―マリーに出会った…;隣人たち―サラマノ老人と出会った… ほか)
2 共時的に読む―『異邦人』批評の批評(言表行為を読む;言表を読む)
3 増補 テクストの外部を読む―カミュと『異邦人』(不在の父;貧民街の母と息子;最初の発病 ほか)
著者等紹介
三野博司[ミノヒロシ]
1949年、京都生まれ。京都大学卒業。クレルモン=フェラン大学博士課程修了(文学博士)。現在、奈良女子大学教授(文学部長)。日本カミュ研究会会長(国際カミュ学会副会長)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hakonan
5
カミュの異邦人が好きで、読みやすいという評判もあり読んでみた。実際、読みやすかった。異邦人をいくつかの方法で分析、紹介している。なぜ、自分が共感したのか、ということが理解できる。理解する際にアイデンティティをくすぐられるような多少気持ちの悪さも感じられた。誰しもそうだと思う。でも、読んで悪い気はしなかった。結構良かったと思う。2014/08/21
asdfg
3
その他の作品にもいえるけれども、その作品を真に理解するのは難しいなと感じる2020/10/24
雑草(仮)
0
何度か『異邦人』を読んで、やはり内容が難解だったので購入。こういった考察本?て初めて読んだ。何気なく読み流していたムルソーの些細な描写や小道具等の繋がりが、僕の気づいていなかった彼の人間性を表していた。これを読む前と後で、ムルソーのイメージは変わった。終盤のムルソーの至った境地の意味も、少しは理解できたのが嬉しかった。さすがに文学論的読み方や、作者本人の経歴、エピソードにまで絡める読み方は難しいけど、これから物語を読む上で、より楽しめる、作者の意図や登場人物の心境の理解の仕方について、多くを学ぶ事ができた2019/05/17
-
- 和書
- 新約聖書 角川文庫