内容説明
日本人の多様な文化は、山から生まれた。しかし、われわれの意識から山は消えようとしている。山の民俗は、戦後のダム開発をはじめとした大規模な開発によって、喪失の危機にある。山の神、山中異界、マタギ、木地師、考古遺跡―。山の民俗の起源とその現状を辿る一方で、全国の山岳地帯での開発問題の取材や山に関する先行研究の成果を元に、ジャーナリスティックかつ民俗学的視点から、山と日本人のあるべき姿を論考した集大成の書。
目次
第1章 山岳地に棲む―原始から現在(旧石器時代の山島―日本列島に人が住む;縄文の山岳観―人はいつから山に住み始めたのか ほか)
第2章 山の民俗の起源を求めて(マタギ集落の現在―朝日連峰・小国町五味沢;木地師のふるさと―近江・小椋谷 ほか)
第3章 危機に立つ山の民俗―「開発の民俗学」の提唱(はじめに―「開発の民俗学」に関する研究;「開発の民俗学」の定義―先行研究の整理と問題の所在 ほか)
第4章 神聖の崩壊と山の開発―山の民俗の喪失と日本人(日本初のエコロジストの山―南方熊楠と神社合祀;山が神聖なる理由 ほか)
第5章 山と日本人考(山と日本人に関する考察)
著者等紹介
石川徹也[イシカワテツヤ]
1963年茨城県生まれ。新聞記者。早稲田大学教育学部社会科学学科卒業後、東京新聞入社。学生時代より国内外の山を旅する。山岳専門誌『岳人』記者等を経て、開発や自然保護の問題を現場に踏み込んだルポを数多く発表。その後、成城大学大学院文学研究科で民俗学修士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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