目次
第1章 チャールズ・ディケンズ―アンビヴァレントな人間像(ディケンズの宗教的態度;恐怖と悪にたいするオブセッション)
第2章 善と悪の対立(『ピクウィック・クラブ』―暗闇に投げ込まれた最初の光;『オリヴァー・トゥイスト』―危うい悪との闘争 ほか)
第3章 ヴィクトリア朝のバビロン(『デイヴィッド・コパーフィールド』―真の故郷を求めて)
第4章 ディケンズによる罪と罰(『荒涼館』―最後の審判;『リトル・ドリット』―罪の牢獄)
第5章 回心と赦しへの希望(『二都物語』―死と復活;『我らの共通の友』―ディケンズによる終末論)
著者等紹介
島田桂子[シマダケイコ]
札幌生まれ。北星学園大学文学部英文学科卒業。米国オレゴン州ルイス・アンド・クラーク大学英文学専攻卒業(B.A.in English)。英国ニューカッスル・アポン・タイン大学宗教と文学専攻修士課程修了(M.A.in Religion and Literature)。聖学院大学大学院アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科博士後期課程修了(学術博士、Ph.D.)。遺愛女子高等学校教諭、東京農業大学非常勤講師などを経て、現在聖学院大学総合研究所特任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フム
32
ここ1年ほど、映画館に行く代わりに動画配信サービスを利用して映画やドラマを楽しむようになりました。最近BBC制作のドラマにはまってしまい、中でもディケンズ原作の『大いなる遺産』『オリバー・ツイスト』『荒涼館』『ディケンジアン』と夢中になって視聴しました。何が魅力だったのかを考えながら、この本も読んだのですが、それはディケンズの作品に描かれている悪と暴力の問題なのだと気づきました。ディケンズが作品を書いた1850年代のロンドンで蔓延る弱者に対する暴力、児童労働や救貧院での虐待、犯罪集団など、→2021/03/12
Fumi Kawahara
3
こうやってキリスト教徒の側面からアプローチされると、あたしゃぁ「へーほー」とちょっと斜に構えちゃうんですよね。「いや、なんでエデンに蛇がいるねん。全知全能の神は蛇の侵入に気づかんかったんか?イヴが蛇の誘惑に負けることを予見できんかったんか?つか、アベルにそんだけ依怙贔屓しといてカインに何故嫉妬するのか?とか何言っとんねんそういう生き物に作ったんはお前やろーが」とか。旧約聖書のしょっぱなからもうダメな人間だし、新約も「何言ってんだオメー」な異教徒なんで、気楽に勧善懲悪だけ大団円を楽しむスタイル('ω')2021/09/07
viola
3
最近出たディケンズの専門書。『ピクウィック・ペーパーズ』、『荒涼館』、『骨董屋』はまだ読んでいないので、そのあたりはよくわからず・・・・・。2010/12/14