内容説明
狂気と理性、愛欲と慎み、信仰と背徳、真実と欺瞞、意識と無意識…相反する観念が交錯する。余韻は脳裏を駆けめぐり、決して消えない。生/性のエネルギーをもてあまし、破滅へと向かう人びとの悲劇。トラウマ的な動機からオニール劇を解剖した著者渾身の書。
目次
第1部 自我の二重化(仮面の男『偉大なる神ブラウン』;ヤーヌス神の二つの顔『特別な人』)
第2部 領域侵犯(猿が檻から目覚める時『毛猿』;パワー・オブ・ブラックネス『皇帝ジョーンズ』 ほか)
第3部 居心地の悪い家(居心地の悪い家『楡の木陰の欲望』;マノン家に宿る神なき時代の呪い『喪服の似合うエレクトラ』 ほか)
第4部 死の誘惑(マゾヒスティックな涅槃願望『地平の彼方』;笑う不死者の秘密『ラザルスが笑った』 ほか)
著者等紹介
清水純子[シミズジュンコ]
1954年東京生まれ。立教女学院小・中・高等学校、東京女子大学文理学部英米文学科卒業。日本興業銀行外国為替部勤務を経て、東京女子大学大学院修士課程、法政大学大学院博士後期課程(満期中退)、シドニー工科大学大学院修士課程、筑波大学大学院博士課程修了。2010年3月、筑波大学にて博士(文学)号を取得。専門はアメリカ演劇、英米映画、英米文学、応用言語学。現在、慶應義塾大学、東京理科大学、法政大学、専修大学などの非常勤講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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