内容説明
現代のスペイン、ラテン・アメリカの文学は、詩は、ベッケルという詩人から、この一冊から始まった…。『ドン・キホーテ』と並ぶスペイン文学の名作、本邦初訳、平易な「解説」付き。
目次
もう宝が尽きてしまい
黒いつばめたちは帰って来るだろう
わたしは焔、わたしは黒髪
今日大地と空が僕に微笑む
見つめてくれたら、世界を
ため息は風、風になる!
詩っていったい何なの?
スカートの上に
サロンの暗い片隅に
僕は壮大で不思議な讃歌を知っている〔ほか〕
著者等紹介
山田眞史[ヤマダマフミ]
1982年、上智大学大学院博士後期課程修了(単位修得)。日本経済新聞記者、バルセロナ自治大学客員研究員などを経て、小樽商科大学教授。スペイン文学、ラテン・アメリカ文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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saba
2
芥川多加志氏(龍之介次男、戦死)の学生時代に訳したものが印象的だったので、本家を。「詩って、きみのことさ」。…。現代語だと確かにそうなる…。それはさておきスペインでは、ベッケルの詩集を贈ることはあなたを好きですというのと同じだそうで。納得。
金糸雀
2
スペイン文学の双璧らしいですよ(もう一つはセルバンテス先生の『ドンキホーテ』).詩集だから原語が一番なんでしょうがぼくラテン系の言葉は苦手なので誰か.
xuxu
0
スペインの国民的詩人ベッケルの初の全訳詩集。本国では『ドン・キホーテ』に次ぐベストセラー、ラテン・アメリカにも広く読者を持ち当地の文学への影響も大。たが日本での知名度は不当に低い。こうした現状を憂える訳者による、100頁を超える詳細な解説が面白い。世界文学史上の詩人の立ち位置が分かる。詩は口語体、平易な言葉で書かれ読みやすい。普遍性、現代性を備えた優れた詩だと思う。本詩集は自筆の手稿やデッサンも掲載され雰囲気十分。原語での朗読(動画サイトで発見)も聞けばベッケルの世界をより深く味わえる。対訳だったらなぁ。2018/03/07