出版社内容情報
毛皮交易の拡大と衰退をロシアの領土拡大と縮小に符合する現象として捉え、北東アジア地域の毛皮事業と国際的交易競争の実態を検証。それが日本に与えた政治的影響についても考察。毛皮交易から見える“もう一つのロシア史”
内容説明
毛皮の獲得と密接な関係にあったロシアの領土拡大。毛皮の輸出市場はイスラム世界からヨーロツパへ、次に清朝中国へと移動し、18世紀から19世紀にはキャフタ貿易が繁栄した。やがて北太平洋におけるロシア商人の毛皮事業はロシア・アメリカ会社に結実する。しかし彼らの活動がアメリカ北西沿岸部に拡大すると、同時に進出する英米諸国との交易競争、領土紛争が勃発する。本書はロシア毛皮交易の拡大と衰退をロシアの領土拡大と縮小に符合する現象として捉え、北東アジア地域における毛皮事業が日本に与えた政治的影響についても検証する。
目次
第1章 日本とロシアの邂逅
第2章 ロシアのシベリア征服と毛皮を求める人々
第3章 北太平洋地域におけるロシアの毛皮事業
第4章 ロシア・アメリカ会社の設立
第5章 ロシア領アメリカの経営
第6章 その後のロシア・アメリカ会社
著者等紹介
森永貴子[モリナガタカコ]
1969年生まれ。熊本県出身。1997年筑波大学大学院修士課程地域研究研究科修了。2004年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。1994~1996年イルクーツク大学歴史学部、2000~2002年ロシア科学アカデミー・ロシア史研究所(モスクワ)に留学。一橋大学経済研究所非常勤研究員を経て、北海道大学大学院文学研究科助教。専攻はロシア社会経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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