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北アイルランドのプロテスタント―歴史・紛争・アイデンティティ

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  • サイズ A5判/ページ数 341p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784779113857
  • NDC分類 233.8
  • Cコード C0022

出版社内容情報

神とアルスターのために――。
北アイルランド紛争を知る上で、外部からは理解しがたいユニオニストのメンタリティーに光をあて、単純に図式化されがちな紛争の背景に最新の調査をまじえて迫る論考。

宗教の違いは「本当の紛争」に影響することはあっても、宗教それ自体が紛争をもたらす原因ではなく、……紛争は二つのコミュニティの大多数の住民の記憶、伝統、アイデンティティ、忠誠心などをめぐる紛争であり……北アイルランド紛争解決の困難さは、双方の社会経済的な相違のなかに、それぞれの歴史的記憶、ナショナル・アイデンティティ、そして宗教も融合しており、それが敵対的な集団的忠誠心を創出しているからである。(本文より)


主要収録目次

第Ⅰ部 北アイルランド紛争─和平と暴力の交差する場面──
 第一章 「聖金曜日の合意」とユニオニストの選択
   1 「聖金曜日の合意」とその周辺
   2 住民投票 
   3 自治議会選挙
 第二章 オレンジ会のパレードとドラムクリーの攻防
   1 オレンジ会と「トゥウェルフス」
   2 ドラムクリーの攻防

第Ⅱ部 政治・宗教・アイデンティティ
 第三章 北アイルランド紛争における「ネイション」の位置
   1 ユニオニズムとナショナリズム
   2 「一つのネイション」と「二つのネイション」  
   3 ネイションの宗教的基盤
   ── デイヴィッド・W・ミラーの問題提起 ──
 第四章 北アイルランド紛争における「宗教」の位置
   1 北アイルランド紛争の説明
   2 非宗教的説明
   3 宗教紛争としての北アイルランド紛争

第Ⅲ部 プロテスタントのコミュニティ
 第五章 アルスター・プロテスタント
   1 プロテスタントとカトリック ── 分断の諸相 ──
   2 プロテスタントのコミュニティ
   3 ブリティッシュとアイリッシュシュネス」の歴史的背景
 第六章 保守的なプロテスタンティズム
   1 保守とリベラル

内容説明

北アイルランド紛争を知る上で、外部からは理解しがたいユニオニストのメンタリティーに光をあて、単純に図式化されがちな紛争の背景に最新の動向をまじえて迫る論考。

目次

プロローグ 一九九八年春、ベルファスト
第1部 北アイルランド紛争―和平と暴力の交差する場面(「聖金曜日の合意」とユニオニストの選択;オレンジ会のパレードとドラムクリーの攻防)
第2部 政治・宗教・アイデンティティ(北アイルランド紛争における「ネイション」の位置;北アイルランド紛争における「宗教」の位置)
第3部 プロテスタントのコミュニティ(アルスター・プロテスタント;保守的なプロテスタンティズム)
エピローグ エニスキレンの心、そして二〇〇七年夏、ベルファスト

著者等紹介

松井清[マツイキヨシ]
1947年宇都宮市生まれ。1969年慶應義塾大学法学部卒業。1974年同大学大学院社会学研究科博士課程修了。東京都立大学人文学部助手。1977年明治学院大学社会学部専任講師。1986年英国ウォリック大学客員研究員。1998年英国アルスター大学客員教授。現在、明治学院大学社会学部教授。専攻は比較社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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火曜日

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北アイルランド紛争はカソリックとプロテスタントの宗教的な教義の違いによるものではなく階級闘争や植民地闘争だ、宗教はその指標にすぎない、というメジャーな見解に異を唱え、「ある一部」のプロテスタントからしたら紛争は宗教戦争であり聖戦なのだ、という研究を述べ、そもそも「何の闘いか」から根本的に考える必要を示す。すごく面白い。原理主義的プロテスタントの概念的かつ抽象的で、神と人の間にバチカンのような中間団体を認めない精神基盤の強さと危うさは凄まじい。慣習とか礼拝とか取っ払って考えれば、わりと他人事とは思えない。

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