出版社内容情報
E.A. ポー、E.T.A. ホフマン、コナン・ドイル、アガサ・クリスティ、ダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラー…探偵小説はいかにして文学でありうる可能性を秘めているのか。時代を超えた物語の内的構造の分析の試み!
目 次
第Ⅰ章 ジャンルとしての探偵小説
a 探偵小説の定義と起源
1 江戸川乱歩の定義
2 小酒井不木の探偵小説論
3 探偵小説と犯罪小説の違い
4 探偵小説の古典的なモデル『オイディプス王』
5 探偵小説に不可欠の推理の例・ヴォルテールの寓意小説『ザディグ』
第Ⅱ章 探偵小説の創成期
b Ε・T・Α・ホフマン
1 素人探偵の登場
2 探偵小説の古典的モデル『マドモアゼル・ドゥ・スキュデリ』
3 探偵小説を構成する三つの重要な要素
4 ドイツ・ロマン主義は幻想文学を生み出した
c エドガー・アラン・ポー
1 探偵小説の父祖
2 いかにして小説であり、文学でありうるか
3 ポーは環境を「抽象的デザイン」として表現する
4 ポーの輝かしき想像力が産み出したデュパン
5 知性と内心に巣くう狂気
第Ⅲ章 本格探偵小説の展開
d コナン・ドイル
1 シャーロック・ホームズの創造
2『ボヘミアの醜聞』にみるドイルの科学的論理
3 ポーの『盗まれた手紙』の影響を受けた作品
4 ホームズの推理の根拠
e 手がかりによる認識論的方法
1 オーデン、ドストエフスキー、カフカ
2 モレルリ、フロイト、ドイル
第Ⅳ章 探偵小説の黄金期
f 守るべき創作上のルール
1 アガサ・クリスティとともに始まる
2 オースティン・フリーマンの「探偵小説の技法」
3 「探偵小説十戒」、「探偵小説とその十則」、「探偵小説作法二十則」
4 ドロシー・L・セイアズの探偵小説観
g 倒叙探偵小説と犯罪小説
1 フリーマンの代表作『オスカー・ブロズキー事件』
2 推理小説の新分野を開拓したフランシス・アイルズの『殺意』
3 探偵小説と犯罪小説の相違
第Ⅴ章 探偵小説の「語り」をめぐって
h 本格派探偵小説
1 探偵小説の場合の語り
2 探偵小説にとっての「語り」の機能
3 魅力的な探偵像の創出
4 異色の作家G・K・チェスタトンの『木曜の男』
5 ノースロップ・フライの分類
6 アリストテレスの「悲劇」論と探偵小説
I ハードボイルド派
1 英国流の優雅な謎解き小説の通俗化に歯止め
2 サミュエル・ダシール・ハメットによるリアリズム文学の誕生
3 『赤い収穫』の会話のリアリズム
4 『マルタの鷹』の三人称の語り
5 レイモンド・チャンドラーの『大いなる眠り』
6 清水俊二訳の『長いお別れ』と村上春樹の新訳『ロング・グッドバイ』
内容説明
探偵小説はいかにして文学でありうる可能性を秘めているのか。時代を超えた物語の内的構造の分析の試み。
目次
第1章 ジャンルとしての探偵小説(探偵小説の定義と起源)
第2章 探偵小説の創成期(E.T.A.ホフマン;エドガー・アラン・ポー)
第3章 本格探偵小説の展開(コナン・ドイル;手がかりによる認識論的方法)
第4章 探偵小説の黄金期(守るべき創作上のルール;倒叙探偵小説と犯罪小説)
第5章 探偵小説の「語り」をめぐって(本格派探偵小説;ハードボイルド派)
著者等紹介
前田彰一[マエダショウイチ]
1939年、長野県に生まれる。1964年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。千葉大学名誉教授。専門は、ドイツ・オーストリア文学、文学理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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