内容説明
非情な歴史に翻弄されたドイツ人移民の歩み。
目次
第1章 ロシアのドイツ人
第2章 ヴォルガ地方におけるドイツ人入植地の形成
第3章 十九世紀前半のヴォルガ・ドイツ人
第4章 ロシアの「大改革」とヴォルガ・ドイツ人
第5章 一九一四年から一九二二年のヴォルガ・ドイツ人
第6章 ヴォルガ川流域のドイツ人自治領
第7章 戦禍のなかで―一九四一年から一九四五年のヴォルガ・ドイツ人
第8章 ヴォルガ・ドイツ人の戦後
著者等紹介
アルカージー・A.ゲルマン[アルカージーA.ゲルマン][Герман,Аркадий А.]
1948年生まれ。サラトフ大学歴史学部教授。歴史学博士
プレーヴェ,イーゴリ・R.[プレーヴェ,イーゴリR.][Плеве,Игорь Р.]
1958年生まれ。サラトフ大学歴史学部教授。歴史学博士。サラトフ州教育相
鈴木健夫[スズキタケオ]
1943年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部史学科卒、同大学院文学研究科修士課程・経済学研究科博士課程修了、現在、早稲田大学政治経済学術院教授。博士(経済学)
半谷史郎[ハンヤシロウ]
1968年、愛知県生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科卒、財団法人ラヂオプレス勤務を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Toska
2
民族とその自己意識について深く考えさせられる。彼らはロシア人に同化することなく、一方で出国後も「ロシア・ドイツ人Germans from Russia」としての紐帯を保ち続けようとしている。ロシア人でもドイツ人でもない「ロシア・ドイツ人」というアイデンティティは一体どこから来たのか?元々ロシアに移住したドイツ人は多様なルーツを持っていたのが、1941年以降の「悲劇が人々を一つにした」という指摘はあまりにも重い。2021/05/06
Fumitaka
2
ヴォルガ・ドイツ人はドイツという「本国」が国外にあった点と、その規模という点ではロシア内の少数民族の中では特殊な側面もあり、その独自性と、いわゆる「コレニザーツィヤ(土着化)」政策の観点からは「標準的」な面の双方を改めて確認できた。しかし名前でそうじゃないかと思ってたんですがゲルマン教授もプレーヴェ教授も本当にヴォルガ・ドイツ人なんですねえ。もはやロシアのドイツ人に共同体としての存続の道はなく、「消滅する」と言い切っている。「もはや復活の可能性はない」という前提が、この本を書くのを許されたのだろうか。2021/02/10
Motoshiман
0
ヴォルガ・ドイツ人はドイツとロシア2つの帝国に翻弄されたグローバル化によって生じた人質のような存在。グローバル化からの帝国主義時代。人々の移動がさらに活発になっている現在、旧ソ連圏に住むドイツ人に目を向ける必要があるのでは。2017/12/24
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