内容説明
芥川龍之介からノーマン・メイラーまで。ポストモダンな「軽薄」に抗い、根拠なき時代の、性急なる「根拠」にも抗う、「詭弁」という文学的更生術の系譜。
目次
1 詭弁的精神の系譜(帰属と彷徨―芥川龍之介論;クラッシック荷風―ある詭弁的精神;或る顔の帰還―太宰治『人間失格』論;昭和十年前後「日本主義」形成期素描のためのノート;更生術としての頽廃―保田與重郎と現代)
2 アメリカの苦闘(ロビンソン・クルーソーのために―ピンチョン、ベロー、メイラー;正義の挫折―ヴェトナム戦争とアメリカ;言語の再建―アメリカ文学批評の現代的様相)
3 文学の難所―現在(文学の難所―村上春樹・柄谷行人・加藤典洋;文学は事件に拮抗し得るか?―「大震災」と「オウム」の衝撃;断たれた回路―新しい「在日」世代の方法;「文学嫌い」と「読み巧者」―批評の空洞化)
著者等紹介
高橋勇夫[タカハシイサオ]
1953年、岩手県生まれ。東京大学英文科卒。1987年、芥川龍之介論で群像新人文学賞。文芸評論家、翻訳家、専修大学教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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