出版社内容情報
「語り部ネイト・ショウは、アラバマ州出身の綿作農民で、元奴隷の息子として、1885年に生まれ、1973年に死亡した。この物語は、すべて彼自身の言葉で書かれており、読者を一人の男の自己実現の旅に導いてくれる。その精神史は、白人にとっては謎に包まれている。……彼の言葉を聴くことなしには、20世紀アメリカ史の記録が不完全であることは疑いない。ネイトの経験は普通の黒人の経験から突出したものではなかったが、その経験を語りに構成し、その真実を伝える彼の才能は、並はずれていた。皆さんは、奴隷から解放された黒人の労働史やシェアクロッピング(刈り分け小作)制度や小作農業制度がどのように機能していたのかを学んだり、近代化の圧力の下での黒人家族の形成、分解の有様を知ることもできる。しかし最終的には、読者の心にはこの物語の文学的卓越性が余韻として残るに違いない」(「日本の読者へ」より)
内容説明
人種隔離時代の南部農村社会を鮮明に描く。
目次
1 家族―青春時代(権力者父さんと母さんたちと子供たち;親離れ―一人前をめざして ほか)
2 独立独行の道―闘いの人生(無一文からの出発―ラバと四輪車を買うまで;借金漬けからの脱出―白人商人のたくらみを見抜く ほか)
3 獄中生活―したたかに生きる(獄中での回心と支えてくれた人たち;したたかに生きる―郷に入りては郷に従え ほか)
4 神のお告げ―新しい人生(再出発―十二年ぶりのわが家、わが家族;ユニオンの力と最愛の妻ハナの死 ほか)
著者等紹介
ローゼンガーテン,セオドア[ローゼンガーテン,セオドア][Rosengarten,Theodore]
1944年ニューヨーク市ブルックリン生まれ。アマースト大学卒。ハーヴァード大学で博士号(1975年、歴史・アメリカ文明)。人種関係史、環境研究、ホロコースト研究に関する博物館展示、公立学校教育プログラム、歴史的建造物再建・都市計画プロジェクト・コンサルタント、デューク大学、ハーヴァード大学、サウスカロライナ大学などで、客員教授、特任教授
上杉忍[ウエスギシノブ]
1945年中国大連生まれ。東京都立大学卒。1975年一橋大学博士課程修了。一橋大学で博士号(1997年、社会学)。静岡大学人文学部を経て、横浜市立大学教授
上杉健志[ウエスギタケシ]
1975年神奈川県生まれ。サイモンフレーザー大学卒(1999年、物理学、2000年、人類学)、マッギル大学で修士号(2003年、人類学)、現在同大学人類学博士課程在学中。この間、スペイン、中国、ヴェトナムにそれぞれ約6ヶ月語学研修留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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J.T.
takao