出版社内容情報
命をかけた師弟愛 ―「適当の時機」を鍵にさぐる先生自殺の真相!
団塊世代に属す友だち夫婦が軽妙洒脱な対話で、すべての漱石好きに贈る『こゝろ』の斬新解釈。主題・構成・語りが交差する論点は連続する驚き。
主題を「私の心をあばく」、構成を「入れ子構造」、語りを「先生と青年の響き合い」と捉えて、「明治の精神に殉死する」先生の自殺理由が偽装されたさままで透視する。謎解きを40の要所に配置して細部にも目が届く。
第1章 漱石作品における『こゝろ』の位置
第2章『こゝろ』の入れ子構造 ― 構成上の謎
第3章『こゝろ』の語りの特徴
第4章 人物・事件整理簿
第5章「上 先生と私」を巡って
第6章「中 両親と私」を巡って
第7章「下 先生と遺書」を巡って(1)
第8章「下 先生と遺書」を巡って(2)
第9章 青年の故郷を訪ねて