内容説明
生きることは…死ぬほど怖い!?人間の悪意や嫉妬、自然の残酷さ、運命の非情さ…生も死も善悪も超えた“もうひとつ”の賢治ワールドへ。
目次
思い違いの悲劇喜劇(洞熊学校を卒業した三人;鳥箱先生とフウねずみ;ツェねずみ;クンねずみ;カイロ団長;月夜のけだもの)
試練に満ちた此の世(土神ときつね;なめとこ山の熊;とっこべとら子;猫の事務所;オツベルと象;祭の晩;十六日)
だます?だまされる?(フランドン農学校の豚;山男の四月;さるのこしかけ;鳥をとるやなぎ;ざしき童子のはなし;注文の多い料理店)
欲望は限りなく(よく利く薬とえらい薬;貝の火;火河鼠の毛皮;毒もみのすきな署長さん)
著者等紹介
富永虔一郎[トミナガケンイチロウ]
1945年生まれ。一橋大学社会学部卒。暮しの手帖社、宝島社などで編集ひとすじ。現在はフリーのエディター・ライター。雑誌、絵本、写真集から文芸書、音楽書、ミステリーまで、あらゆるジャンルの本の出版に携わってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金目
4
本当も何も普通に怖いだろ・・・・・・と思ってたら、想像以上に怖い話がぞくぞくと。思ってた以上に死ぬは殺すは。動物としてみたら割と当たり前の事なのに、登場人物がことごとく人間くさいのでぞっとする。印象的だったのは「洞熊学校を卒業した三人「なめとこ山の熊「フランドン農学校の豚」2016/04/22
ろくしたん
3
冷やかしのつもりで読んだ。もっと、内容を検証する感じかと思ったら、作品がメインで怖さはページの隅にちょろっと書いてある程度。正直、賢治ガチ勢でないと楽しめないのではと思った。賢治作品の入門編としてまじめなタイトルをつければよかったのに。この編者は、広ジャンルを手掛けているようなので他の本を読んでみたい。2020/04/03
まめみ
2
これは、「宮沢賢治」というネームバリューがあってこその童話(?)集。そこに意味を見出そうとすれば、いろんなこじつけによってなんとでも解釈でき解説できる。でも、そうすることに何の意味があるのだろう。ただ単に、面白い・面白くないの基準で物語を読んではいけないのだろうか……。とすれば、「宮沢賢治」という冠がなければ世に出ることはなかっただろうな、と思う程度にあまり「面白くない」本だった。2011/01/21
pikapikahikaru
1
10代の頃、そして子供が中学生の頃と本を読む機会があった。総じて場面が暗いなぁ~と言う印象。だが、銀河鉄道はメルヘンチックで好きだった。童話にしてはちょっとえぐい、賢治の意図が分からないというのが本音。この本を読み、少し理解出来たかな。2015/02/24
くろすけ
1
ナメクジや象など色々な生き物が登場する童話集です。生き物たちは人間が持っているような心を持ち、話もできます。人間社会を動物に置き換えた話もあれば、例えば食用に飼育されている豚が人間との間で死亡同意をめぐり苦悩する話もあります。人間を動物に置き換えた話より、人間の都合で命を奪われている動物の心描写の方が怖いです。2011/07/04