- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > 教養
- > 幻冬舎ルネッサンス新書
内容説明
インドで生まれた仏教が、仏像・仏画とともに、さまざまな文化と混ざり合い、極東の島国・日本にたどりつく。仏教発祥の地から西へ、さらに北へ東へと伝播された信仰の軌跡をたどることで、これまで日本人が知らなかった源流からの変遷の過程と最終形としての仏像・仏画の真の姿が見えてくる。奈良の名刹・古寺案内、古仏巡礼の書。
目次
第1章 中宮寺シンクロナイズ半跏思惟像―流転する「考える人」(それは常識なのか;名称は二転三転する ほか)
第2章 當麻寺サンセット浄土曼陀羅―夢を物語につむぐ(不思議の寺から;岩に刻まれた仏たち ほか)
第3章 興福寺フェスタ阿修羅(上)―中央アジアのオアシス都市から(不死の霊薬を求めて;荒ぶるものの姿 ほか)
第4章 興福寺フェスタ阿修羅(下)―東のはての地の静寂(ユーラシアを横断する獅子頭;あまたの天人のひとり ほか)
第5章 東大寺コスモロジー大仏―ユーラシアの終着駅へ(大宇宙のブッダ;完全な消滅という理想 ほか)
著者等紹介
菊地章太[キクチノリタカ]
1959年横浜市生まれ。筑波大学大学院修了後、フランス・トゥールーズ神学大学高等研究院留学。現在、東洋大学教授。文学博士。専攻はカトリック神学、比較宗教史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
「北魏仏教の流れのなかで雲崗の五窟が開かれ、五大仏がつくられた…その造営は六世紀前半の北魏滅亡後もつづけられ、唐代にまでおよんだ…盧舎那仏は大宇宙に君臨し、世界のすべてのブッダを統括する存在である。唐王朝の皇帝もまた世界の中心である中国に君臨し、周辺世界の国々を統括する存在と意識されている。こうして盧舎那仏の宗教的意味に政治的意味がオーバーラップしてくる。中国ではどんな宗教も政治に従属せざるをえなかった。これが東アジア世界の特徴と言えるだろう。かたや西アジアでは政治さえも宗教に組みこまれていく」2019/01/08
うしろや
1
中宮寺・當麻寺・興福寺・東大寺。これらの寺、仏像を日本国内だけでなく、大陸との関係にまで広げて考察してる。 中宮寺の弥勒さん、あの脚の組み方してる弥勒さんはユーラシアにはない、弥勒じゃないんじゃね? 仏像拝むのに何の知識もいらんけど、経典やら国を超えた他の地域の仏像やなんかから思ってみるのも趣きがあることだ。かじるには対象が多すぎるけどね、仏像もお経やなんやかんやも。2025/05/10