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内容説明
現代社会では、精神的な悩みを抱える人々が増え続けています。その背景として、携帯電話やインターネットの普及による急速なコミュニケーション手法の変化が挙げられます。これらが私達の思考力と言語力の低下を導き、ひいては精神の衰弱を引き起こしているのです。今、私達の身に何が起きているのか。ネットが我々の「こころ」にもたらした功罪を明らかにしていきます。
目次
第1章 いま、心と言葉が壊されている―精神医療の現場から見えてきたこと
第2章 言葉の衰えが止まらない
第3章 インターネットの二〇年がもたらした功罪
第4章 メリット、デメリットを生み出すSNSのカラクリ
第5章 インターネットが劣化させたコミュニケーション
第6章 日常に入り込んだネットが知的財産を侵食している
第7章 精神医療の変化
第8章 壊された「こころ」と「言葉」は再生できるか
著者等紹介
森田幸孝[モリタユキタカ]
1974年広島生まれ。宮崎大学卒業。岡山大学大学院修了。精神保健指定医、医学博士。総合病院、精神科病院、認知症専門病院、こども療育センターなどで精神科の臨床経験を積む一方、精神疾患の遺伝子研究にも従事。2008年より米国国立衛生研究所(NIH)に研究員として留学。2010年に帰国し、その後、広島市立広島市民病院に勤務。現在、精神科副部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
14
携帯電話やインターネットの普及による急速なコミュニケーション手法の変化により、読書をしない事による長文読解力や思考力の低下、こころを表すための言葉の表現力の低下を導き、実社会の強い繋がりから、SNSなどのICTの活用による緩い繋がりが主体的になってきたことで、精神的な安定が図れない人間が急増している。2017/01/22
ほじゅどー
14
★★★★精神科医による現代のネット社会のあり方に対する警告。携帯電話とインターネットの登場による社会の変化。急速な変化は我々のコミュニケーションにも大きな影響を及ぼした。ネットで繋がり合うことで考え方が同じ方向に傾きやすくなり、集団として一方向に振れやすくなった。違う考えを持つことはコミュニティからの追放を意味する。携帯電話やメールがコミュニケーション能力を低下させた。面と向かい合って話をすることが大きなストレスになり、嫌いな人との接触を避けるように。「待つ」ことが出来なくなった。最後に読書の効用〜(笑)2014/01/30
kubottar
9
某有名SNSを退会したあと訪れた爽快感を忘れない。インターネットとの付き合い方を考えないと疲れるだけだ。2013/02/05
水月
9
コンピュータの発達と共に私達は「待たなく」なった。言葉=精神。印象的だった言葉。2012/08/17
nizimasu
7
以前に世代によってコミュニケーション力に差があるなあと思っていたんだけど、やっぱりネットの有無というのは大きいなあと思った次第。精神科が書いたネットの弊害については特にネットのヘビーユーザーには賛否両論あるだろうけど、正直かなりやばいのではないか。というか、周囲を見てもネットに毒されないでいられる方がまれだろう。その中毒性を踏まえつつつきあわないとちょっと怖いなと思える本でした。日本人が待てなくなっているtという指摘にも納得2013/10/30