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内容説明
日本の古典とはとっつきにくい上品なものばかりだと思ってはいないだろうか。なかでも誹諧連歌というと、何か難しいものだと思いがちである。ところが意外にも「オヤジギャグ」や「しもネタ」といった現代にも通じる笑いの数々に、180度その印象が変わる。本書では、中世の人々のユーモアとペーソスがあふれ、おおらかでエネルギッシュな誹諧連歌の魅力を紹介していく。
目次
第1章 迷い多きこのすばらしい人生(世の定め;家族が一番)
第2章 男児たるものは(遠くて近きは男女の仲;あらぬところがたいへんだ)
第3章 懐さむしと酒うまし(地獄の沙汰も金次第;酒天之美祿)
第4章 命あってなんぼ(逃げるが勝ち;困った時の神頼み)
第5章 時の流れに身を任せつつ(変わらぬものは何もない;風流に涙…)
著者等紹介
栗潤一郎[クリジュンイチロウ]
1962年(昭和37)生まれ。サラリーマン生活を20年以上過ごし、2008年退職。現在、「食」や地方の活性化を促進する活動に従事し、老人クラブのセミナー講師なども務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
171
犬筑波や狂吟集の歌を紹介している。「どこともいはずちぎりこそすれ」という前句を見て、思わず、どこでも契る?と妄想してしまうけれど、付句は「秘蔵する庭の草花を小姫御前」で、庭の草花を千切る小さいお姫様のこと。「手枕にてや聞きわたるらん/嫁入りのさ夜ふけがたのほととぎす」…妻に手枕した経験のない私もワクワクさせられる。「かめにさす柳の酒やつくりばな」…「柳」は柳屋という造り酒屋で、「つくり花」は糀。現世肯定と平等を説く法華宗が京の町衆に受け入れられ、来世救済を説く真宗が農民に浸透した、など雑談も有意義だった。2024/10/10
木枯竹斎
2
長らく積読の犬筑波集をパラパラめくるも、内容は俳諧と雖もさすが準勅撰の筑波集を意識しただけある。疲れ気味の脳にはちとしんどいかと言う事で手を取る。寝っ転がっての気軽に室町戦国期の笑いの世界に入るには手軽な本と言えよう。ただ書く姿勢が途中で変わったのか、親切こころか、俳諧連歌解説中心から、歌を通しての時代背景説明が多くなり頭の切替が頻繁になってくるので、だんだんしんどくなって寝っ転がってのが本当にまま寝入ってしまった。それでもこの手の類書は無いので存在意義はあると思う。 2014/08/23