内容説明
子供向けのジャンル？宇宙人の物語？ただの絵空事？ＳＦなんてもういらない！？その起源から日本のマンガまで、膨大な作品を横断しながら、時代と向き合う豊かな想像力を取り戻す。
目次
ＳＦとは何か（ジュール・ヴェルヌはＳＦの父？；良質のＳＦはアメリカ製？；ＳＦにはもう新しく創出すべきものは何もない？ ほか）
ＳＦは誰のものか（ＳＦは未熟な若者向け？；ＳＦは現実から完全に切り離されている？；ＳＦは複雑？ ほか）
ＳＦはどこへ行くのか（ファンタジーは甘味料を加えたＳＦにすぎない？；ＳＦは怖い？；ＳＦは科学技術の進歩を先取りする？ ほか）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
6
昨年出版された、フランスのSF入門書の邦訳版。既にあちこちで言及されているように、巻末の用語一覧に誤りが見受けられるものの、フランスから見たSFがうかがえて意欲的な本と言える。本書を読むと、アメリカSFの影響から出発し、自国の作家が育っていくあたりは日本に似ているのがわかる。意外と漫画（バンド・デシネ）への言及が多いのに驚いた。ジュール・ヴェルヌは、やはりフランス人の誇りなんだなあ。書影を多く掲載していることのも良かった。2013/01/05
えんじ
1
スチームパンクとバンドデシネにページが割いてあるのが、目新しい。ジャック・ヴァンスをコミック化したものは読んでみたい。入門書というだけあって、中級者以上なら概ね知っていたり、理解していること。英語圏ＳＦ情報が多く、かつ切り口はオーソドックス。さらにもともとのページ数が少ないことから、コストパフォーマンスの悪さが気になる。特に、手元に残しておく必要も感じない。某氏が指摘していたスチームパンクの説明は確かに奇妙。2012/10/03
nante
1
文章はちょっと読みにくいけれど、フランスのＳＦ関連作家のリストとして資料的な価値はある。ヨーロッパ非英語圏のＳＦがどんどん翻訳されることを期待。2012/08/02
foxhanger
0
一般的な「入門書」にありがちな概説とかジャンル別紹介ではなく、フランス人が「SF」に持っている固定観念に答える形式なので、どうも読んでピンとこない。あと、訳者がつけた「用語一覧」が変。一例を挙げれば「サイバーパンク」を「先端技術、情報工学、遺伝学などが社会に及ぼす影響を批判する潮流」と説明するなど。2015/08/09
メイロング
0
意外とわかる、歯が立つうれしさ。タイトル通り、フランスにおけるＳＦの変遷だけど、おもしろいＳＦ紹介本とも読める。ＳＦを読んでいると行きあたる疑問について、ＳＦハンドブックなき今、遠いフランスのＳＦ先輩が教えてくれる。それぞれのテーマで深く立ち入りすぎない、抑制の効いた説明文も入門者にはうれしいところ。2015/03/13
