出版社内容情報
誰かの母にもならず
誰かの妻にもならず
娘のまま50才になった。
中年から初老へ。
『あした死ぬには、』で40代を描いた雁須磨子が
“加齢”の不安を抱える女性たちに贈る、50代の人生白書。
18才で上京して32年――
“売れない役者”をやめて故郷の福岡に戻ることを決めた50才の葉子。
お金がない。体力がない。根気がない。
直面する「50才・無職」の現実。
そんな中、人懐っこい大家の息子・快晴や日雇いアルバイトの同僚たちとの出会いによって、葉子の「人生の新展開」がやってくる。
仕事をやめること。東京を離れること。何かをあきらめること。
――何者にもなれなかった私が、新しい自分と出会う物語。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
25
「誰かの妻にもならず 誰かの母にもならず 娘のまま50才になった。」とする帯の惹句が本作の主題を端的に照らしている。役者を諦め、故郷の福岡に戻ってきた葉子が主人公。うじうじしているようで気が強い面もあり、という葉子の造型がいい。また、複数視点を採用しているのも物語に開放をもたらせている。『あした死ぬには』は、挑む主題への作者の気負いが徐々に消えていき、それがキャラクターの変化にも繋がっていった。その肩の力の抜け方がうまく継続されている『起承転転』だ。2025/11/01
むらさきいろの薔薇が好き
8
50代の主人公が地方から俳優を夢見て都会に出てきて仕事を区切り地元へ帰る話。2025/11/22
コリエル
8
雁須磨子の新作は50代を描く。芸能界で花開くことを諦め、故郷福岡へとIターンした主人公・葉子の人生第二章だが、重苦しい。当人は人生に行き詰まったと感じているし、実際多少の金にも手元不如意で弟に借金せざるを得ない始末。ここから生活や気持ちを上向けていく物語になるのだろうと思うが、果たして。そもそも満点の人生など誰も歩んでいないので必要なのは折り合いというものだと思うが、彼女自身が自分を許せていないところが問題なんだよな…2025/09/29
かやま
5
50歳を機に?俳優を辞め東京から地元に帰ってきた主人公の話。50歳はまだ先の話ではあるけどそう遠くない自分の未来だなあという気持ちでちょっぴり暗澹としつつ読んだ。だって部屋は借りづらいわ仕事は見つからないわ病気しやすくなるわで、地元とはいえ孤独だとつらいなあという事ばかり。まだ加齢に希望も諦めも持てない世代なのでしょんぼりしながら読む事になるかもしれない。ちなみにサイン本。嬉しい。2025/10/16
aof
3
まだ私が50歳を遠いものとしてとらえているからなのか、全然葉子の行動が理解できなかった。 なぜそうなる?!の連続というか。 穂波の気持ちの方がわかってしまう、、、。 役割的な生き方をしなかったことと、ふわふわと見通しも甘く生きていくこととの間には乖離がある気もして、そこを埋める魅力みたいなのが伝わってこないかなぁ。2025/11/09
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