感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
46
「我々はすごく高い地平に来たのだ」。あさま山荘事件までに15人もの死者を出し、命からがら離脱した人、逮捕された人も続出し、残りの仲間はとうとう9名に。選民意識と狂気を拗らせながら無謀な殲滅戦へ突入するはずが、リーダーたちも逮捕され残り5名のみで辿り着いたあさま山荘。暴力は地獄しか生まないことを証明する事となった赤色連盟最後の冬は冷たく白い雪を真っ赤に染め、その咆哮は深く冷たい土の下に消えて行った。二度と繰り返さない為に、人間の一つの真実の姿として読み継がれてほしい労作。2023/10/10
秋 眉雄
14
no one takes responsibility. That's the Japanese style.2023/08/27
ムーミン2号
5
全4巻。1971年から72年にかけて日本で実際に起った山岳ベース事件とあさま山荘事件を描いたマンガ。一巻あたり650~700ページほどの大部、大作である。山本おさむの『赤狩り』とともに、戦後の歴史を知るには読むことをおススメするマンガなのだけども、内容はどうにも辛い。この中で盛んに彼らが使う「総括」という言葉の意味がワタシにはどうしてもつかめない。何をどう思考することを「総括」と言うのか、どうすれば「総括」したことになるのか、それは誰のための「総括」なのか…が分からない。2024/03/10
なつのおすすめあにめ
3
年表の最後が安倍晋三銃撃事件で驚いた。2023/03/06
sucksuckhello
3
読み切った。処刑のシーンは辛い。女性に対する暴力も辛い。物語の終わりは代表的なテロの年表が付され、この長大な物語すらワンオブゼムでしかなく、手段は目的によって正当化されるという子供騙しで人殺しが続いているのにどうしようもない徒労感を植え付け物語は終わる。だが不思議と読後感は良く、どうしようもなく面白かった。2023/03/05