内容説明
原発のある田舎の町で、小説家を夢見ながら友人たちと退屈な日々を送っていた馬車道ハタリ。高校卒業を機に上京し数年が経ったある日、彼女のもとに見知らぬ作家の私小説の原稿が届く。そこには原発事故で壊滅した故郷にまつわる、彼女たちの重大な秘密が描かれようとしていた。大洪水、原発事故、カルト教団、未確認生物…次々と襲い掛かる脅威に、ギグワーカー・馬車道は血気盛んに立ち向かう。現代の閉塞感を打ち砕く、新世代ハードボイルド小説。
著者等紹介
波木銅[ナミキドウ]
1999年生まれ。茨城県出身。大学在学中の2021年、茨城県に暮らす三人の女子高校生の大麻栽培を描いた小説“万事快調”オール・グリーンズ(文藝春秋)で第二十八回松本清張賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はっせー
49
新世代ハードボイルド小説。波木銅さんは前作『万事快調』を読んだことがある。アングラな感じとサブカルの匂いがする作品であった。本作もその雰囲気を味わいながらも新しい作品を作り出している!原発事故で荒廃した町を故郷にもつ馬車道ハタリ。そんな彼女のもとに原稿が届くようになる。誰が送り主なのかは内容をみて明らか。送り主と接触してからは怒涛の展開。荒廃した故郷への帰還。超能力や謎のカルト教団。そしてワニのような生き物。なかなかカオスな様相だが、しっかりと読みやすい!読めて良かった作品であった!!!2025/01/17
糸巻
22
波木銅さん2作目。デビュー作の『万事快調』がすごく好みだったので読む。作家になりたかったけどなれずフードデリバリーで生活費を稼ぐ馬車道ハタリ。学生時代の友人に頼まれたモノを戻すため、洪水と原発事故で壊滅した故郷に帰ろうと自転車で向かうが…。『万事快調』は割と生活感のある話で、こんな女子高生もいるかもとリアリティを覚えたが、本作はだいぶディストピアの雰囲気が強かった。馬車道の選択する人生が良い。人間らしく生きていたいよね。好みの分かれそうな作品だった。2024/02/03
桜もち 太郎
18
デビュー作にて松本清張賞の前作「万事快調 オールグリーンズ」が良かったので期待しながら読んでみた。結果、スピード感があるのは良かったが、ストーリーについていけず。原発事故、カルト教団、大洪水に未確認生物などてんこ盛り。前作が自分の年間ベストブックだったのに、、、。次作に期待しよう。2024/05/01
スイ
8
読んでいる途中で『万事快調』の方だと気づいて納得。 この乗り物酔いしそうなんだけどテンションの上がる文章! あっちいう間に目の前を駆け抜けていってしまって残像しか見えなかったという読後感なのだけど、不思議と爽快だった。2024/03/28
TI
7
何なんだこれは。全く訳が分からないし話がすぐ飛ぶ。しかしとても面白い。☆4.2024/02/13