内容説明
現代短歌の新境地。言葉の魔術師たちが紡ぎ出す虚構のラブストーリー。
目次
1 くちづけるとは渡しあうこと
2 “永遠”で終わらせるしりとり
3 恋に埋もれてうつむいている
4 きみのこの世のまぶたを舐めた
5 夜がぼくらに手こずっている
6 きみにはぼくを生きてほしくて
7 皮膚のぶんだけ遠いと思う
8 恋愛は羽で数えよ
9 妖精に生まれ変わるのはきみだろう
10 おそろいのコップがひとつ欠けていて
11 二度目のはじめましてをしよう
著者等紹介
木下龍也[キノシタタツヤ]
1988年生まれ。歌人
鈴木晴香[スズキハルカ]
1982年東京都生まれ。歌人。慶應義塾大学文学部卒業。2011年、雑誌「ダ・ヴィンチ」『短歌ください』への投稿をきっかけに作歌を始める。歌集『夜にあやまってくれ』(書肆侃侃房)、『心がめあて』(左右社)。2019年パリ短歌イベント短歌賞にて在フランス日本国大使館賞受賞。塔短歌会編集委員。京都大学芸術と科学リエゾンライトユニット、『西瓜』所属。現代歌人集会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はっせー
78
短歌が好きな人や恋愛小説が好きな人・恋愛をしている人にぜひ読んでほしい本になっている!本屋に行き平積みされているに気づいて手に取った。虚構のラブストーリーと帯に書かれた短歌集。惹かれる。これは本の魔力だ!と思い読んでみた。通読して思ったことは初めてマーマレードを食べたときのあの甘さの中にあるほろ苦さあるあの感覚に似た本だなって思った!短歌を読みなれていないひとでも読むことが出来て短歌沼にはまってしまうのではないかと思うほど良かった!2023/11/05
榊原 香織
61
”一年の夜空すべてを見届けて〈永遠〉で終わらせるしりとり” 男女二人の恋愛短歌。何度もわかれたりくっついたり?ストーリー性があるのかな?そして驚きの・・2023/11/17
まる
51
男女二人の歌人が交互に詠う相聞歌。五七五七七だけで描かれた小説。すごい。 愛が詰まっているだけかと思いきや、少しずつ時間が進むにつれ不穏な空気に。 何かがどこかで壊れていく音が聞こえてきたような息苦しさに胸がつかえる。こんなに短い言葉が持つその力に脱力。 「走馬灯みたいなメリーゴーランド止まるのではなく消えていくだけ」メリーゴーランドにはもう誰も乗っていない。 2023/11/13
チャーリブ
41
二人の歌人による相聞歌のような試みかなと思いながら読み始めました。「海辺」「キス」「同棲」「村上春樹」「未読無視」そして「包丁」といったストーリー性を感じさせる言葉が並びます。2人の歌をあわせて読むよりもどちらか一方の歌だけを通して読んだほうが読みやすいかも。最後の「狂気」はなかなかのもの。○2023/11/24
水色系
32
恋人のふたりの生活かと思ってたら徐々に不穏な展開になる。物語的。楽しく読んでたら落差がすごい‼︎ゴシック体は木下龍也さん、みたいに、字体で詠んだ人を判断できるのも面白いね。/本棚にふたりの過去を並べれば『海辺のカフカ』上上と下下(P65 木下龍也)/言葉まで脱いでしまったようだったふたり名前だけを呼び合って(P68 鈴木晴香)2023/09/17
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