内容説明
「信じる」より「感じる」、そんなゆるやかな宗教の時代へ。日本人の7割以上が無宗教?!それは、大きな誤解。万物に命を感じゆるーく神仏を祀る縄文から続く日本人の宗教と文化をたどる。
目次
1 日本人の祖先・縄文人の世界(私たちのルーツ 縄文の人々は海からやってきた;永遠の生命が巡る世界 縄文の人々が生きた円環の世界 ほか)
2 倭人と弥生時代の文化(倭人が稲作技術を持ってこの列島に 海からやってきた;海のかなたに理想郷があるのか?福の神が海からやってくる ほか)
3 倭国から大和へ、そして日本に(列島の人々の心の地層から 神話の物語が姿を現した;天皇の国の日本 その建国神話がつくられるまで ほか)
4 日本人仏教と出あう(いよいよ日本の仏教の時代が始まった;聖徳太子の『三経義疏』から 在家重視の日本仏教が始まる ほか)
5 変貌する日本の宗教(明治から昭和、2度の歴史絶断で変貌した宗教文化;国民国家の建設をめざす明治政府は権威を天皇に求め、神道を国家宗教とした ほか)
著者等紹介
山折哲雄[ヤマオリテツオ]
1931年生まれ。宗教学者。東北大学文学部印度哲学科卒業。同大学文学部助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授、同センター所長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いっちゃん
19
ふんわりとしか知らなかった(寺社仏閣、八百万の神さま、カルトの怖さくらいかなぁ)、日本における宗教の成り立ちから丁寧に解説してあり、大変勉強になりました。絵もたくさんあり、神話のエピソード、天皇家の歴史も。太平洋戦争の前は天皇陛下万歳とか、現人神なんて言われてた理由もわかりました。これだけの歴史があったのなら、さもありなんです。日本人は無宗教だと言われるけど、私は神社に初詣にも行くし、子どもの七五三参りもしました。亡くなったら入るお墓もあります。私なりに日本的な宗教を持ってるんだなと再確認しました。2023/09/06
のん@絵本童話専門
3
こちらの図解でわかる宗教シリーズ、何度も時間をかけて読了。この本では縄文時代まで遡り、自然観から説明している。弥生時代への変遷、そこから国が作られて建国神話の誕生、仏教道教陰陽道儒教の伝来、日本特有の神仏習合、密教修験道禅…たくさんの宗教が入ってきて混ざり合う日本のゆるい「感じる」信仰。万物生命教と作者は読んでいる。他宗教への寛容性、柔軟性は、劣っていることではなく、むしろ誇れる部分ではないだろうか。インド・中国のこのシリーズは日本の宗教にとても関わりがあるので、オススメしたい。2024/10/14
kaz
1
日本人がどこから来たのか、縄文人と弥生人との関係等から日本人の宗教観の解説がスタート。仏教伝来以降のところは類書でもよく見かける内容だが、総じて興味深い内容。図書館の内容紹介は『日本人の宗教は、天地万物の中にカミやホトケ、先祖たちの霊の気配を感じて身を慎む、「感じる宗教」。縄文から続く日本人の宗教と文化を、多くのカラー図版とともに解説する』。 2023/07/27
ひ※ろ
0
★★★★☆2024/03/10
たくさん
0
政治情勢を抜きにして文化的な風習や中世の人物的な仏教的な宗教の解説等幅が広い内容になっていて一貫性という感じが少し偏った感じになっているなという印象の本です。特に古代の部分や縄文弥生にかんしては解明できていないことも多く断定しにくいものですし、古墳時代でどう交わったか、仏教徒の集合の過程などもしっくりこない。そもそもわからないものだからだけど。今のなるべく最新の見解というのを気軽に調べておさらいして現状把握するには基礎として十分と思いますが、まだまだ変革解明されていくというのは頭に置いたほうがいい。 2024/02/06