内容説明
やくざ、天皇、テロリズム、共産党…日本最大の脚本家、笠原和夫。待望の復刊!膨大な取材激烈な作劇で斬り込む昭和の闇。
目次
第1部 ひばり映画と時代劇(デビューするまで;美空ひばりと時代劇スター―ひばり映画 ほか)
第2部 やくざ映画の時代(やくざ映画の黎明期―『人生劇場 新飛車角』『めくら狼』『十一人の賊軍』;やくざ映画のスタイル―『日本〓客伝』シリーズ『股旅三人やくざ』 ほか)
第3部 『仁義なき戦い』と実録路線(広島やくざ戦争―『仁義なき戦い』四部作;特別攻撃隊―『海軍特別攻撃隊』『あゝ決戦航空隊』 ほか)
第4部 戦争映画と天皇(日露戦争―『二百三高地』『日本海大海戦 海ゆかば』;太平洋戦争―『大日本帝国』『零戦燃ゆ』『昭和の天皇』 ほか)
第5部 日本映画界の衰退(映画界の変質・プロデューサーの不在―『愛・旅立ち』『三国志』『玄海つれづれ節』『天山を越えて』他;女郎とパンパン―『吉原炎上』『肉体の門』 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
辻井凌|つじー
1
名脚本家・笠原和夫の仕事人生を追ったインタビュー。『映画はやくざなり』を読んでたので、それを補完する役割を果たしてくれた。笠原さんは一本軸がある脚本家職人って感じがする。リアリズムに対する見解が面白かった。戦前の共産党を調べてこれはアクションにできそうだし、『仁義なき戦い』みたいな集団ものができると踏んだ話もおもしろい。『実録・共産党』の制作、実現してほしかった。それと、軍に入ったことある世代の戦前観や日本観がすごく実感ともなって語られてて興味深かった。同じ戦前世代でも違うんよな。2023/02/09
hiroshi
0
事典のような重厚感ある装丁。「仁義なき戦い」シリーズが好きなので手にした。戦中・戦後の昭和の映画史、風俗史とも言える作り。小さな字の脚注も誠意あると感じた。ただ、ずっと聞き手(2名)と笠原氏の語りなので、細部では客観性を欠く(思想・信条・団体・人物描写)部分があるかなと。「仁義なき~」以前の戦後作品は観ておきたいタイトルをメモした。2025/04/30