内容説明
千年の射程で人類のビジョンを示す、日本を代表する社会学者による奇蹟の対談集。
目次
第1章 現代社会の理論と「可能なる革命」―有限性の時代へ向けて
第2章 名づけられない革命をめぐって―新しい共同性の論理
第3章 「自我」の自己裂開的な構造―解放の現実的根拠について
第4章 未来は幽霊のように
著者等紹介
見田宗介[ミタムネスケ]
1937年生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。真木悠介筆名でも活躍
大澤真幸[オオサワマサチ]
1958年生まれ。社会学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小鈴
10
雑誌で既読だが、加筆修正とあったのでとりあえず購入してみた。概ね文章は変わってませんので、雑誌未読の方向け。尚、最後の章以外は、お二人の対談なので、どちらかの本を読みなれているか、社会学に明るい方が読まないと、何を言ってるかよくわからん、ということになりかねないので要注意。2012/05/10
井上岳一
1
震災後、見田宗介が何を考えているのかを急に知りたくなって調べたら、こんな本が出ていた。大澤真幸が苦手なので迷ったが、見田宗介は相変わらず冴えている。嬉しいことに、ロレンスの黙示録論に対する言及もあり、ロレンスメッセージの現代的意味がよりクリアになった。最終章は大澤の単独論文だけど、これは退屈。やっぱこの人は苦手だわ。2014/09/06
mym
1
放っておくと人間は「三代目」になってしまう。それは、人間がもともと三代目のように、金や権力でなく、文化や自然、友情や愛情に生きたいと思っているからだ。まさにそうだと思う。金を求め続けなければならない資本主義の中で、どのように三代目を実践できるのか。これはある種の革命であるといわれるように、覚悟を決めて、「三代目」にならなくてはならないのかもしれない。4章の偽ソフィー・サンデル教授と原発問題の対比は、大変納得感があった。2013/05/23
好きです愛の町かわさき
1
「三代目」の分析は明確で、なるほどなと思った。社会学は名人芸と言われたのがよく分かる。基礎部分(ゲマインシャフトからの流れとか)にも触れており、そういう学部を出た身には少し懐かしくも。最後の論考も含め、私は満足できました。2012/08/24
壱萬弐仟縁
0
三代目にして潰す、とは慣用表現だったが、「二代目的な価値感から脱出できないままで、行き詰って虚構のシステムに身をゆだねて破綻」(15ページ、多分「価値観」の誤植)という人もまだいるだろう。評者の身近にもそうなる運命の人を知っている。それはさておき、個人でなく社会の三代目を考察されている。原発事故を契機として考えざるを得ないのだ。「リスク社会に固有のリスクの一種として、原発事故や津波をとらえることで、われわれははじめて、問題の哲学的な複雑さを明らかにすることができる」(205ページ)のは、ベックの価値↑だ。2012/10/10