ヒストリカル・スタディーズ
バナナの世界史―歴史を変えた果物の数奇な運命

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  • サイズ B6判/ページ数 351p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784778312961
  • NDC分類 625.81
  • Cコード C0030

内容説明

果物のうち世界でもっとも消費され、いちばん身近なバナナは、いま絶滅の危機に瀕している。ジャガイモを超え、いまや食糧として何億人もの生活を支えるバナナの裏側には、米大企業による農場労働者の搾取、病気を導く人工的な栽培といった、暗黒の歴史や深刻な農業問題があるのだ。複雑で謎に満たち生態、1万年にわたる伝播の経路、グローバリズムが引き起こした多大な犠牲、消えゆく品種がもたらす食糧危機…バナナの知られざる生態と歴史、緊迫した現状を鮮やかに描きだす。

目次

世界一、つつましい果物
第1部 バナナの系譜
第2部 伝播
第3部 コーンフレークとクーデター
第4部 どこまでも貧欲に
第5部 さようなら、ミッチェル
第6部 新しいバナナ
年表―バナナの歩み

著者等紹介

コッペル,ダン[コッペル,ダン][Koeppel,Dan]
科学、自然、アウトドアのジャンルを専門とするライター、ジャーナリスト。“ニューヨーク・タイムズ・マガジン”“ナショナルジオグラフィック”“ワイアード”など、多数の雑誌に寄稿。ロサンゼルス在住

黒川由美[クロカワユミ]
翻訳家。津田塾大学英文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

25
バナナに関する農業技術史と農業産業史の合わせ技。最初は見慣れない言葉多く読みにくかったですが、後半になるにつれてスラスラ読めました。なぜならバナナに関してこれらの歴史は、「病気」、「貧困、「飢餓」の繰り返しだから。それゆえ前者はバナナにとって、後者二者は人間にとって逃れ難いものなんでしょう!2012/07/27

yooou

21
☆☆☆☆★ もしやと思っていましたがみことに中南米とアメリカの、そしてユナイテッド・フルーツ社の歴史に踏み込む見事な構成になっておりました。2012/07/10

CCC

13
企業(特にユナイテッド・フルーツ社)のバナナプランテーション経営が想像以上にひどかった。税金の未払い、労働者への苛烈な扱い。そしてついにはアメリカ政府を巻き込み、国すらも崩壊させる。まさに傍若無人。グアテマラの末路は救いがなさすぎて泣ける。民主的政権が目指した封建体制からの脱却と公正な法運用の夢は、企業とアメリカの謀略、圧力のまえにあえなく散り、あとには陰惨な手法を取る独裁政権が残る。ちなみに日本人に身近なフィリピンの話はほとんど出てこなかった。2020/12/26

こつ

10
百年の孤独に出てくるバナナを中心に街が発展して、、、って話は壮大なほら話なのかと思ってましたが、びっくり実在のブラック歴史なのですね。バナナ会社とアメリカのやり口にドン引きな一冊でした。2022/08/10

マカロニ マカロン

8
個人の感想です:B+。この本の冒頭でアダムとイブがエデンの園で食べた禁断の果物はリンゴではなく、バナナと書かれていて、確かに中東はリンゴよりバナナに適した気候だろうと思ったが、当時のバナナは調理用で甘くなかったらしいので、バナナも違う気がした。現在食べられているバナナはキャベンディッシュという種類で、病原菌、害虫に弱く、農薬を大量散布する。栽培している人への健康被害も深刻。ハリケーンで壊滅的被害を受けたり、モノカルチャー経済ゆえの政治の不安定、現地労働者への搾取、弾圧などの決して甘くない歴史を負っている。2017/08/08

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