内容説明
北朝鮮制裁策に代えて、対話を進めよ。なぜ、前・家族会事務局長が強硬派から変身したのか。かつて対極の立場にいた二人が、政府・救う会・家族会・メディア・革新派の閉塞を解き明かし、新しい知恵と方策について率直に語り合う画期的な対論。
目次
第1章 対話を通した意見の変化と認識の深化(なぜ二人が拉致問題について語り合うのか;九・一七平壌宣言直後の率直な心情 ほか)
第2章 拉致問題の起源と停滞する現状(警察は拉致の実態を把握していたのか;まったく手がかりのなかった最初の一〇年間 ほか)
第3章 経済制裁は悪しき袋小路。交渉へ!(家族会はなぜ圧力団体になってしまったのか;日本外交の深刻なダメさ加減 ほか)
第4章 二人の対話から国境を越えた対話へ(北朝鮮の地下核実験をめぐって;在日朝鮮人の切実な声 ほか)
著者等紹介
蓮池透[ハスイケトオル]
1955年、新潟県柏崎市生まれ。東京理科大学電気工学科を卒業後、エネルギー関連会社に入社。本年、退社。1997年より2005年まで、「北朝鮮による拉致被害者家族会」の事務局長をつとめる
太田昌国[オオタマサクニ]
1943年、北海道生まれ。東京外国語大学ロシア科卒業。民族問題・南北問題研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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晴れ女のMoeco
6
家族会事務局長の蓮池透さんと、家族会を批判している太田さんという人の対談。拉致被害者たちの「家族会」が右の圧力団体となってしまったこと。「救う会」は拉致を利用して「北朝鮮打倒」を実現したかったとのこと。また帰国できた被害者も「自分たちだけ帰ってきてしのびない」という思いを背負って帰国を喜べないなど…。拉致問題はもうあまり騒がれなくなったけれど、この問題は全然解決していないと考えさせられる。北朝鮮の拉致事件は心底許せないけど、それがエセナショナリズムに利用されたり、「北朝鮮けしからん」で終わらすのはどうなの2010/10/23
ハンギ
1
ゲバラの著作で有名な太田さんと拉致被害者家族会の元事務局長の蓮池透さんとの対談。蓮池さん曰く、家族会を下部組織化した拉致被害者を救う会、安倍晋三、中川昭一などの右翼的な核武装支持者、北朝鮮解体論者による利用が目立ったという。彼らに押し切られる形で、次第に家族会も右傾化してしまったらしい。残念だと思う。そうした事に冷めた目でみており、北朝鮮とは経済制裁ではなく、対話によって解決をして行こうと2人の意見は一致している。家族会はそもそも被害者を返して欲しいのであって、体制を崩壊させる事を目的にはしていない。 2011/12/10
furutpp
0
被害者の人権を無視しながら「補償と謝罪」についての国家間で行われる罵り合いの愚かさ。蓮兄の言葉を聞け。非当事者という特権の最大解釈がファシズムなのか。2014/10/02
tu-ta
0
読書メモ書きかけ、久しぶりの追加。2010/01/13
コギー
0
三度目の再読。2020/08/30