内容説明
いま話題の「早稲田文学」が送る抱腹絶倒、七転八倒の問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハチアカデミー
2
なぜか距離を「町(約109メートル)」や「里」で伝えるカーナビのナビちゃんと向井豊明(65歳)による、ドン・キホーテよろしくな珍道中。ナビに表示され発話される日本語の地名と、アイヌ語による地名のズレから、時代も生死もこえたどこでもない空間=「怪道」へと誘われる表題作が凄い。名前を漢字へ、言葉を五七五のリズムへ強制せんとする暴力に抗う作家の強い意志を感じる。寺山修司へのオマージュ「劇團櫻天幕」など計4作品を収める。小説作品としての技法も含めた面白さと社会への強烈な批判を持つこの作家の存在を忘れてはいけない。2016/02/08
急性人間病
0
ヤマトとアイヌの間で言葉を立ちすくまされ引き裂かれた男が、その両方を言葉によって貪欲に簒奪しようと試む一冊。2017/04/13
ちび丸
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★★☆2008/08/22
カラシニコフ
0
初めて読んだがすごかった。笑えるし、なんか支離滅裂な印象を受けた。町田康さんや中原昌也さんとかそういう系統かと思ったら、どちらかというと後藤明生や初期の阿部和重さんに似たような雰囲気がある。蓮實重彦氏が賞賛したのも頷けるし、蓮實さんの文体を模倣してそうだな、と思った。表題作は、ナビに翻弄されながら、ドライブする、ドタバタロードムービーのような感じで面白かった。他の作品も読んでみたい。 2020/04/23