内容説明
肖像権は、明文の法律による根拠はないが、判例で認められている権利である。判例によって生みだされ、今もなお形成されつつある権利といってよい。人が、その肖像・容貌・姿態を肖像本人の意に反して、みだりに撮影されたり、描かれたり、彫刻されたり、またその撮影された写真・スケッチ胸像などをみだりに公表されない権利である。本書は、我が国の肖像権あるいは肖像に関する事例について、解説を試みるものである。研究者・実務者のみならず、マスコミ、エンターテインメント関係者必読の一冊。
目次
序章 肖像保護は写真機の発明に始まる
第1章 人格権としての肖像権(肖像権とは―最高裁昭和四四年一二月二四日判決;「肖像権」という権利の内容;「肖像権」侵害にならなかった事例―撮影・掲載が是認された事例;「肖像権」侵害となる事例―無断撮影、無断掲載が違法とされた事例;肖像権とプライバシー権 ほか)
第2章 パブリシティ権とはどんな権利か―財産権としての肖像権
第3章 物にパブリシティ権があるか
付録 「肖像権」重要判例(警察官によるデモ行進撮影行為の適法性と肖像権―京都府学連事件;肖像権侵害の新基準・イラスト画の新基準―法廷内被告人イラスト画事件;パブリシティ権の承認―マーク・レスター事件;パブリシティ権による差止―おニャン子クラブ事件;パブリシティ権の書籍への適用―キング・クリムゾン事件 ほか)
著者等紹介
大家重夫[オオイエシゲオ]
久留米大学法学部特任教授・久留米大学名誉教授。1934年生まれ。1958年京都大学法学部卒業。1960年文部省入省。1988年文部省退職。1988年久留米大学法学部教授。2005年久留米大学定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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