オタク・イン・ＵＳＡ―愛と誤解のＡｎｉｍｅ輸入史

マシアス，パトリック【著】〈Ｍａｃｉａｓ，Ｐａｔｒｉｃｋ〉/町山 智浩【編・訳】

太田出版（2006/09発売）

• サイズ B6判／ページ数 272p／高さ 19cm
• 商品コード 9784778310028
• NDC分類 778.77
• Cコード C0095

出版社内容情報

全米で爆発中の日本製オタク・カルチャー、その知られざる現地裏事情を奥の奥まで大公開。アメリカは萌えているか?
★『セーラームーン』はポルノもどきと弾劾されて打ち切られたがファンの署名で復活！★日本直輸入の同人誌即売会にアメリカ女性400人が殺到!!★「ビジュアル・ケイ」は「アニメみたいなルックスのバンド」という意味で英単語になっていた！★『百獣王ゴライオン』がギャングスタ・ラッパーたちに崇拝されてるＹＯ！★『ウルトラセブン』は英語版ではコメディに吹き替えられた！★『キカイダー』はハワイ限定で大人気だった!★「宇宙戦艦ヤマト」のワープの森雪のヌードを手に入れるのがアメリカ人の夢だった！★低迷するアメリカ出版業界を救う日本製少女マンガ・ブーム。その性描写の過激化はいつ米国の表現規制と衝突するか？★「萌え」を理解しようとするアメリカ人の前に立ちふさがるチャイルドポルノの恐怖！★リン・ミンメイでアメリカ人、初めて「萌え」を知ってカルチャーショック！　ほか



世界のオタクたちが日本のオタク文化とファースト・コンタクトするきっかけはそれぞれ違うけれど、根っこの部分には共通するものがあると思う。彼らはみんな、生まれてからずっと自分をとりまく環境、支配的な文化からの脱出を日本製のファンタジーに求めたんだ。21世紀、アメリカのオタク・ブームは『AKIRA』のネオ・トーキョーみたいに爆発した。その実態を君たちに伝えるのが僕の使命だ(本文より)

内容説明

全米で爆発する日本製オタク・カルチャー、その知られざる裏事情を奥の奥まで大公開。アメリカは萌えているか？！アメリカン・オタクの世界にようこそ。

目次

第１章　吹き荒れるオタク旋風（世界のオタクよ、団結せよ！；「やおい夫人」から「カワイイ」を守る美少女戦士たち　ほか）
第２章　ＵＳＡオタクの少年期（『ゴジラ対悪魔』を作ろうとした男；『ウルトラセブン』にはダジャレ満載？　ほか）
第３章　Ａｎｉｍｅは英語になった（トランスフォーマー対マシンロボ、アメリカ決戦！；ギャングスタ・ラッパーがゴライオンで合体！　ほか）
第４章　アメリマンガの世界（アメリカン・マンガ、略してアメリマンガ；小池一夫がバットマンを蘇らせた　ほか）
第５章　ＵＳＡオタク列伝（マサチューセッツの阿部小次郎；わしゃ、世界最年長のオタクだ！　ほか）

著者等紹介

マシアス，パトリック［マシアス，パトリック］［Ｍａｃｉａｓ，Ｐａｔｒｉｃｋ］
１９７２年カリフォルニア州サクラメント生まれ。現在、日本語を学ぶため、東京に住んでいる

町山智浩［マチヤマトモヒロ］
１９６２年東京生まれ。雑誌『映画秘宝』創刊編集長を経て渡米。現在カリフォルニア州オークランド在住（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[hit4papa]

Anime Rocks!アメリカン・オタクである著者が、海外オタク事情を紹介するものです。なにより著者の日本愛、オタク愛に満ち満ちているところが良いですね。アメリカン・オタクの目をとおして、アニメやマンガを見てみるというのは新鮮です。

[マギカ鍋]

米のヲタ著者による米ヲタ文化の歴史と考察。一般ヲタ視点で理解しやすい。元の作品の放送もなく様々なロボットものが一纏めにされ玩具だけが売られたり、マクロスがモスピーダとサザンクロスと一つの話にされたり、米では念願だった1stガンダムが911で打ち切りになったり、権威あるメディアの無知な称賛や非難などの興味深い話を見ていくと政治経済思想的側面も見えて、徹底的に改悪された米版を見せられた米ヲタには同情も。その歪んだ環境から作品の美点を見出しアングラに潜ってさえ作品を探し求めた魂には日本のヲタと変わらぬ精神性も。

2013/08/26

[bobk]

いやあ～面白かった。アメリカの片田舎に住む少年（著者）がJAPANアニメと出会いどうやってOTAKUになっていったかという話です。OTAKU文化誕生までのすったもんだがよくわかる1冊になってます。アメリカは開放的だというイメージが強いが、多くのアメリカ人はキリスト教のモラルに縛られていてとても保守的。性や暴力に対しての禁忌は凄まじく、それらの悪から子供を守らねばならないと思ってる。JAPANアニメを見た大人達は蒼白になり、セーラームーンの変身シーンやウルトラマンが怪獣を倒す所をカットしてしまう。OMG!

2012/06/15

[_apojun_]

図書館本。オタク要素は全くないと自覚しているのだが、軽めの本が読みたいと思って書棚を追っていたら目に留まった一冊。 アメリカにおける日本オタク文化が非常に詳細に紹介されていて、文体はともかく軽めどころかずっしりとした一冊でした。 日本のミュージシャンが渡米しても現地ではちっとも話題になんてなっていない、みたいな毒舌口調はちょっとこぎみいい。著者はアメリカ人のオタクライター(というかオタク)。 分かる人が読んだら結構興味深いのでは。

2021/01/16

[宵子]

アメリカのオタクについて書いたもの。著者が特撮オタだからか、日本と特撮や映画の話が多い。またアメリカのスクールカーストについても詳しく書かれており、カウンターカルチャーと日本アニメの関係を調べるとき、役立ちそうである。オタク達は｢アメリカのヤングカルチャーと違って押し付けられず、自分で好きになった｣ことをアニメ好きになった理由とあげている。あとキモヲタの阿部さんのレベルが高過ぎて吹く以前に退いた。どの世界にも笑えないキモヲタはいるようだ。

2016/06/29