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内容説明
ある夜、極めて平凡なサラリーマン・神宮司智久の部屋の天井を突き破って王子様のような美形が落ちてきた。その男―アパートの二階に住む桐生青衣と智久は、天井の修理が終わるまで空き部屋で同居することになる。だが青衣は能天気すぎる変人のうえに下半身がゆるく、セフレを部屋に連れ込んだあげく智久まで抱きたがる始末。怒り狂った智久は青衣を追い出そうとするが、金も行くあてもないという彼に泣きつかれてしまい―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リリー
11
祖母がオーナーであるアパートの一階に住む会社員・智久。ある日、二階から美青年が落ちてきて…⁉︎とファンタジー好きならわくわくする始まりですが、基本は非ファンタジー。ただ床が抜けて落ちてきた青衣の性格がアレなもので、日常離れした印象は受けます。見た目はロシア系王子様な青衣は語学やロシア文化に強く、大学時代の先輩に無報酬で論文の代筆までさせられています。その先輩に対して自らを"使い魔"と称す設定は、最後の謎解き合わせて正直不要だったと思う。でもこの作家さん独特のジメジメ感が妙に合うので、私は面白く読めました☆2016/03/22
祐@暫しお休み中
10
さとむらさん初読み。こういう、人としてちょっとどこか欠けていたり破綻しているキャラが好きなせいか、青衣の深い孤独や寂寥ゆえのどうしようもなさだったり無垢さだったりが読んでて堪らなかった。しかも本人にはまったく悪気がないっていうのも逆に痛々しく感じたというか…始終彼の言葉やしぐさの端々から伝わってくるアンバランスさから目が離せなかった。最初はあれだけ突っぱねてた智久がいつの間にか絆され惹かれてた気持ちがよくわかる。全体的にも、コミカルな始まり方で程よく柔らかい雰囲気を保ちつつも、切なさや胸がキュッと(続く)2013/07/16
さくらひめ
9
初読みの作家さん。絵師買いだったもので、絵だけ良かったパターンかもと思って長らく積読。慣れるまで読点の打ち方が気になったけれど、概ね読みやすい文章だったと思う。キャラも主人公が人見知りって割りには面倒みてしまう男前で感じ良いし、青衣も頭の弱い子かと思ったら大型犬みたいで可愛かった。お話もツッコミどころは有るけれど、思いの外よかったし。ドタバタ展開を予測して読んでいたら、後半けっこう切なくて、風邪引いているとことか、空港のところとか好きだったな。他の作品も読んでみたいかも。2015/07/31
きょん
9
二階から落ちてきたイケメン、ただし優秀なのは頭脳だけで下半身も生活能力もずるずるな残念なイケメンに否応なしに巻き込まれていく前半、ちょっとイラつきつつも、徐々に浸りの距離が縮まっていく過程は自然で面白かった。以前より文章も読みやすくなってて良かったです。2013/07/24
うっくれ
9
表紙に惹かれて買ってみたけど好きだった。最初は下半身がだらしなくて変人で残念なイケメンという印象だった青衣だけど、智久になつく様子がまさにわんこで!!そんな青衣に振り回される智久。怒りながらも内心触られてドキドキしたり戸惑ったりする姿がすごくかわいい〜。でも空港のシーンはほんと男前で…!かっこよかった…!二人がお互いを特別だと思うまでの過程がゆっくり書かれてて良かった〜。2013/07/21